MSがWindows Vista互換性センター――今さら?
Vistaの一般発売から17カ月も経って、Microsoftが互換性確認のためのサイト(しかもβ版)の立ち上げを発表した。
わたしは何か見落としているのだろうか。MicrosoftがWindows Vista互換性センターサイトのβ版を開設するそうだ。Vistaの一般発売から17カ月も経つのに。
だが、これは正真正銘の事実だ。「Windows Vista Compatibility Center」の開設は、Microsoftが米テキサス州ヒューストンで開催中のWorldwide Partner Conferenceで行った最も大きな発表の1つだ。しかし、こうしたサイトの開設は、OSの発売前に行うことでは? ここにきて互換性ツールをリリースするなら、それはβ版ではなく、正式版であるべきでは?
わたしはβ版の内容を記事にしようと考えた。だが、Windows Vista Compatibility Centerにアクセスしたところ、以下の画面ショットのように、中身はまだ空っぽだった。これでは今回の開設発表は、Tシャツにプリントされたスローガンのようにしらじらしい感じがするだけではないか。実体が何もないのだから。ベイパーウェアのように、このサイトは前宣伝ばかりで、いつまでも開設されないのではとさえ思えてしまう。
こんなことでは、MicrosoftがVistaに対する否定的な見方をぬぐい去ることは到底できない。新しいツール、しかもβ版を発表しておきながら、「少ししたらまたチェックしてください」という案内を出すようでは話にならない。
Microsoftのプレスリリースにはこう記されている。「Microsoftはこの新しい互換性ツールにより、顧客とパートナーから継続的なフィードバックを得ることに努め、彼らがWindows Vistaへの移行後長期にわたって、製品を円滑に購入、導入できるように取り組んでいく」
お題目の羅列だ。Microsoftは、Vistaへの移行を考えた顧客を、お気に入りのゲームや必要なアプリケーションが動かないせいでがっかりさせるのではなく、少しはこのOSに信頼や満足を感じられるようにしてはどうか。
わたしの周囲にも、Vistaの互換性問題に不満を抱く人々がいる。あるカメラメーカーのために日本語の翻訳の仕事をしている友人がいるが、彼はWindows Vista搭載の新しいノートPCを買ったものの、翻訳ソフトがこのOSと互換性がないことが分かった。彼は解決策として、Fry's Electronicsに出掛けてWindows XPを買ってきた。彼はVistaでは、前向きに評価するに値する経験を何もしなかった。Vistaは選択肢にもならないという。
プレスリリースの「サポートされている7万7000のデバイスとコンポーネント」というくだりでは笑ってしまった。「サポートされている」とは「互換性がある」ということだろうか。Microsoftは何を数えてこのばかげた数字を出しているのか。PCのねじだろうか。これは重要なデバイスやコンポーネントの数ではなく、何でもかんでもカウントしたものだ。上に述べたようにアプリケーションの互換性確保もうまくいっていない。わたしの場合、Nokia N95のファームウェアを最新のものに更新できずにいる。アップデータとWindows Vista Service Pack 1(SP1)に互換性の問題があるからだ。
このブログ記事を投稿する前に、わたしはWindows Vista Compatibility Centerにもう一度アクセスし、まだ開設されていないことを確認した。しょせんまだ開設されていないものについて、開設時期をうんぬんしようとは思わない。なお、記事の投稿後にアクセスしたところ、「ページが見つかりません」というWindows Live Searchのエラーページにリダイレクトされた場合もあった。
Worldwide Partner Conferenceで発表された中で、少なくともWindows Vista Small Business Assuranceプログラムは、具体的な中身があるものだった。
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