大容量のファイルをほかの人に渡したい時、最も手軽なのはインスタントメッセンジャーを利用することだ。「Windows Live Messenger」「Yahoo!メッセンジャー」「Skype」の3つを比較してみた。
大容量のファイルをほかの人に転送したい場合、いくつか方法がある。ファイルを分割してメールに添付して送信する方法や、オンラインストレージを利用する方法が思い浮かぶ。その中で、最も手軽なのはインスタントメッセンジャー(IM)を利用することだ。Windows Live Messenger、Yahoo!メッセンジャー、Skypeの3つを比較してみた。
IMが手軽なのは、難しいことを考えずにファイルをドラッグ&ドロップするだけで、直接相手に送信できることだ。サンプルとして1Gバイトのファイルを用意し、これを転送してみた。実験環境は以下の通り。
ネットワーク | 送信者 | 受信者 |
---|---|---|
ITmedia社内LAN | Thinkpad X41 Windows XP SP2 メモリ:1536Mバイト |
Thinkpad X41 Windows XP SP2 メモリ:512Mバイト |
いきなり脱落してしまったのは、転送容量に最大100Mバイトの制限があるYahoo!メッセンジャーだ。Windows Live MessengerとSkypeの対決になったわけだが、あっさりと決着が付いてしまった。勝負にならないほどSkypeの転送速度が速かったのである。
Skypeが総じて毎秒3000Kバイト(bpsに変換すると24Mbps)以上で転送し、7〜8分程度で1Gバイトの転送を終了したのに対して、Windows Live Messengerでは3〜5Mbps程度。時間にして1時間ほどかかってしまった。
ということで、ファイル転送に関しては圧倒的にSkypeが強かった。さすがP2Pファイル交換ソフト「Kazaa」を作った人たちが開発しただけのことはある(2004年10月の記事参照)。また、Skypeはファイル転送が早いだけでなく、ファイアウォールやNATルータを越えて接続できることが最大の特徴(@ITの記事参照)。今回は社内LANの中での実験だったが、外部スタッフとのファイル転送などにも効果を発揮するはずだ。
その一方、ちょっと気になったこともある。それは、Skypeのネットワーク使用率があまりに高いため、大容量のファイルを頻繁に転送しすぎるとネットワークを逼迫しかねないことだ。その点、使用率がほぼ一定のWindows Live Messengerは“行儀”がいい。濫用するとネットワーク管理者に睨まれるかもしれないSkypeのファイル転送は諸刃の剣――。“最後の切り札”として有効に活用するべきだろう。
IM | ファイル転送の特徴 |
---|---|
Skype | 1Gバイトのファイルを10分以内に転送した。接続性も高い。ネットワークの使用率が高いため、大容量のファイル転送は濫用しないようにしよう |
Windows Live Messenger | 1Gバイトのファイル転送は1時間程度で完了。ネットワーク使用率はほぼ5%程度で推移した |
Yahoo!メッセンジャー | 100Mバイトの制限のため、1Gバイトのファイル転送はできなかった |
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