目先を見ると、ヤバイ、なんとかしなきゃ、と思うんですが、こんなふうに自分の人生全体を描いて見ると、「今は調子がいいからちょっと下がってもいいかな」とか「いつまでに上がればいいかな」とか「がんばり過ぎたからちょっとペースダウンしたいな」みたいに分かるんです。そこが大事なんですよ。将来、本当にそうなるかどうか、分からないわけです。もっとぐっと上がるかもしれないし、全然上がらないかもしれないけれど、「そうか。この波を見ると自分は3年周期だから、3年くらい落ちていても仕方がないかな」と思えるほうが楽になって、本当に上がるんです。そこがポイントです。
では、そこからさらに先、死ぬまで描くとしたら、どう描きますか? 別のスペースでもいいので描いてください。何歳まで生きていてもいいです。80歳でも90歳でも、60歳でもいいですし、数字は振りたくなければ振らなくてもいいです。あくまでも、こうなればいいな、という線にしてくださいね。仕方がないよな、ではなくて、こんな感じになれば、自分としてはいいな、という線を描いてください。
房野 私、80歳までは生きるつもりなんです(笑)
平本 じゃあ80歳まで。納得のいく終わり方にしてくださいね。
斎藤 分からないなあ……。
房野 このまま淡々と行きそうな気もするし、ダメになりそうな気もするし。
平本 淡々と、だったら平坦でいいですよ。緩やかな波で上がっていってもいいし。
斎藤 あまり大波に揺られたくないですね。年取ってから積極的にこれをがーっとやりたい、という感じでもないので、低いところをなだらかに行ければいいかな。
平本 じゃあ、何歳くらいから低いところをなだらかに行ければいいですか?
斎藤 退職後、くらいですかね。
平本 そうですか。じゃあ60歳まではこのままでいいんですね。自分でそう覚悟できていたら、60歳までがんばれるじゃないですか。
斎藤 そうですね。
平本 60歳以降は、オレはなるべく振り回されず暮すけれど、その前まではがんばろうかな、と思える。
斎藤 そういう意味ではさっさと引退したいかもしれないですね(笑)
平本 房野さんはそれでいいですか? 理想ですか?
房野 そうですね。40代はがんばって仕事してみようと思おう、という感じですね。50歳くらいからは、だんだんフェードアウトできるような状態になりたい、という感じですかね。
平本 だいたいそんな感じでいいですか? では、その図を見てください。まず、今の時期にできることはなんだと思いますか? 人によって違って、上がっていく人でも、もうひとがんばり行こう、という人もいれば、あまりバタバタせずに自然にまかせよう、という人もいますが。
房野 もうちょっと考えなきゃいけない感じがしますね。
斎藤 ちょっとペースを落としつつ、じっくりやりたいですね。
平本 房野さんの現在は横這いですか? 上がってます? 下がってます?
房野 今はけっこう良い時期なので、ややハイレベル安定、という感じですが
平本 例えば、それからもっと上げちゃったらどうですか?
房野 上げたいんですけど、上がらないような気がするんです。この状態を長く続けるためにどうしたらいいか、というふうに考えるような気がします。下がらないように、新しいジャンルでもいいですし、もっと技術を磨くとかでもいいんですが、仕事がなくならないようにするにはどうしたらいいんだろうと、いつも考えています。
平本 じゃあ、そういう風に具体的に何か行動を取れますよね。結局は自分で納得することが大事なので、もし今の状態を維持したいと思うんだったら、そのために知り合いを増やそうとか、新しいジャンルを開拓しようとか思って行動が取れたらいいわけです。それでうまくいかなかったとしたら、だんだん成長の時期に、学びや気づきの時期に入ってきているということです。
ピークパフォーマンス 代表取締役
平本相武(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。
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