あと200万円──。ビジネスパーソンの年収について、切実な願いが調査結果に表れた。NTTデータ経営研究所による「ビジネスパーソンの就業意識調査」の結果である。
年収があと200万円上がれば──。そんなビジネスパーソンの切実な願いが調査結果に表れた。8月20日に発表されたNTTデータ経営研究所の「ビジネスパーソンの就業意識調査」の結果である。
この調査は、NTTレゾナントのアンケートサービス「gooリサーチ」の協力を得て、7月13日〜2007年7月18日に実施したもの。対象は20代〜50代以上の男女で、有効回答数は1013人。男性は784人(77.4%)、女性は229人(22.6%)。役職別では役員が130人(12.8%)、管理職が210人(20.7%)、一般社員(正社員)が635人(62.7%)、その他が38人(3.8%)となっている。
仕事の満足度は「大いに満足している」が1割弱(8.1%)にとどまったが、「どちらかといえば満足している」は過半数(52.0%)に達した。合計すると約6割のビジネスパーソンが現在の仕事に満足していることが分かった。
年齢別では、20代の53.8%、30代の56.1%、40代の62.6%、50代の67.2%と、年齢が高まるほど満足度が上昇した。NTTデータ経営研究所では「キャリアを積んだ中高年層が、業務内容や処遇面において自己の要望を満たしつつあるのに対し、若年層は将来の理想や可能性を追い求めているため」と分析している。
年収への満足度では「大いに満足している」は全体の4.7%。「どちらかといえば満足している」(35.2%)と合わせても約4割(39.9%)程度にとどまった。約6割のビジネスパーソンが現在の仕事に満足しているにも関わらず、同程度のビジネスパーソンは年収に十分満足していないことが分かった。
現在の年収に「大いに満足している」「どちらかといえば満足している」という“満足派”を年齢別に調べると、20代は41.4%、30代は43.4%、50代は41.3%と40%台を維持したが、40代は35.5%とやや低調。NTTデータ経営研究所では、「役割や責任が課せられ、会社からの期待も大きい40代において、それに見合った処遇が十分には施されていない現状が垣間見られる」という。
現在の年収に「どちらかといえば不満がある」「大いに不満がある」という“不満派”は、あとどのくらいの年収があれば満足するのだろうか──。最も多かったのは「100〜200万円未満」(35.2%)で、「50〜100万円未満」(21.9%)が続く。
男女別では、追加額に「100万円未満」を要望する割合は男性で20.2%だったのに対して、女性は48.8%に達した。NTTデータ経営研究所では「女性の場合、男性より小額の処遇条件の改善によって満足度の向上が期待できる」と推測している。
年齢別では、中高年層よりも若年層の要求金額の方が低く、20代では「100万円未満」とする割合が過半数(50.8%)に達した一方で、50代では「100万円以上」とする割合が8割強(80.8%)にも達した。
また役職別でも要求金額に大きな差が生じた。一般社員(正社員)では72.4%を占めた「200万円未満」が、管理職では52.2%と減少。その代わりに「200万円以上」が47.8%と増加した。さらに役員では、「200万円以上」が79.0%に達している。役職が上がるほどに「足りない」と感じているようだ。
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