固定電話はお父さんと新人を悩ませる?Biz.ID Weekly Top10

携帯電話が今のように普及していなかった時代には、女の子の家に電話をかけるにも、緊張したり考えたりしたものだ。「お父さんが出て切られちゃったらどうしよう」「家族に聞かれるのはなんとなく恥ずかしい」などなど――。

» 2008年10月22日 15時45分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 先週のBiz.IDランキングでは、プリントゴッコ関連の記事が1位2位に続けてランクイン。

 1977年に登場して以来、30年以上に渡って家庭の年賀状作りに愛用されてきたプリントゴッコ。近年はすっかり年賀状を出さなくなった筆者だが、子どもの頃からあった製品が消えていってしまうのは、やはりなんとなくさみしいものだ。

 プリントゴッコ販売終了の背景には、PCや家庭用プリンタが広く一般に普及したという理由がある。同様に、携帯電話やインターネットの普及に押されて徐々に数を減らしつつあるように思うのが、家庭用の固定電話。20代の3割超は固定電話を導入しておらず、導入している人も半数以上は、FAXなど通話以外の目的のために導入しているという調査結果もある。かくいう筆者も、一人暮らしを始めてからは自宅に固定電話を置いていない。

 小学生の頃を思い出すと、友達の家に電話をかけるときなどはいちいち「同じクラスのスギモトですけど、○○くんいますか?」などと尋ねていたものだ。たまに友達の兄弟などが電話口に出たりすると、友達だと間違えてそのまましゃべり始めてしまい、数分たったところで「……あのー、弟に代わりますね」なんて言われたり。あれは恥ずかしかった。あれは恥ずかしかった! もっと前に代わってくれればよかったのに、ヨシタカくんのお兄ちゃんめ!

 中学生になって、女の子の家に電話をかけるようなことになったときには、電話の前で一人緊張したりもしたっけ。相手の子からは「お父さんが出たら切られちゃうかもしれないから、21時ぴったりにかけてね! 電話の前で待ってて私が取るから」とか言われたり。やばい、甘酸っぱいぞ。

 そんな筆者も中学3年生の頃に初めての携帯電話を持ち、「○○くんいますか?」と尋ねることはなくなった。そして、それから数年が経ち、今では「○○様はいらっしゃいますでしょうか?」とかかってくる会社宛ての電話に対応している。新人として、部内にかかってくるすべての電話の取り次ぎを任されているのだ。

 今考えると、ケータイがなかった時代の娘を持つお父さんというのは、実はけっこう大変だったんじゃないかなぁ、とも思えてくる。自分の娘宛てに電話がかかってきたら、瞬時に相手の素性を見極めて、最適な対応(ってのもちょっと大げさな気はするが)を取らなければならないからだ。

 家庭内と社内という別々の環境ではあるけれど、なんとなくあの時代のお父さんが感じていたであろう「難しさ」に共感してしまった筆者。娘を持つ予定は当分ないが、とりあえず会社の電話だけは社用ケータイなどの1対1対応タイプにならないものか――などと日々考えていたりすることは、ここだけにこっそり書いておくことにします。

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