「年賀状の手書き」をお題に、さまざまな技で字を改善してきた全3回短期集中講座。最終回はいよいよ宛名書きへ。相手の名前でなくその下の「様」を最大サイズにするなど、宛名書き用の黄金比率を使えばすぐに差が出ます。
悪筆がすぐ直る11の技に端を発した悪筆改善シリーズでは、「年賀状の宛名書き」をゴールに、全3回の短期集中講座を“開講”。【基礎編】では書き疲れない上キレイな字を保つ3つの技を、【本編】では美文字を作る黄金比率をそれぞれ見てきた。
最終講義の【応用編】も、高宮暉峰(たかみや・きほう)先生の定期講座「文字キャリアコース」を元に進めていこう。
正直に言えば筆者は宛名書きが苦手である。「ここら辺から書けばスペース内に収まるかな」と、ある程度目星を付けて書き始めるようにしているが、収まりきらず中途半端に改行してしまったり、無理に収めようとして最後の方の文字を極端に小さく書いてしまったりと、失敗が絶えないからだ。おまけに文字サイズも「なんとなく」の感覚で書くから、余計ムラが出てアンバランスな仕上がりになってしまう。
しかし、こんな苦手意識を持った人でもバランスよく書けるようになるのが「宛名書きの黄金比率」なのだ。「宛名書きは黄金比率の宝庫。比率を使って書けば、誰でもキレイに書けます」と、高宮先生。
宛名書きでは2種類の黄金比率を使う。
まず【本編】で解説した「100対80対70の黄金比率」。普通の文章でも宛名書きでもオールマイティに使える万能技でもある。こちらの比率は、「相手の住所」「相手の名前」など、同じ項目内で使う。
そしてもう1つが「宛名書きの黄金比率」だ。例えば「相手の住所」と「相手の名前」の文字サイズを80対100の比率にするなど、項目同士の比率をいう。そしてこちらの比率は、宛名書きする項目ごとに全部決まっているのだ。相手先の名前サイズを100%と考えると、次のようになる。
(1)住所 80%
最初の1文字目を慎重に/字配りは不要/市区町村は平たくつぶす/ビル名は50%
(2)会社名 80%
やや大きめに。
(3)部署名 50%
書き位置は2カ所から選ぶ
(4)役職名 50%
なるべく1行以内に/ムリなら2行で均等割り付け
(5)名前 100%
中央に大きく堂々と/「様」より小さく/1文字分空けてから書き始める/苗字と名前の間は字配りを
(6)様 110%
「名前」より大きく/一番下の位置にどっしり書く/払いも堂々と
字配りをしなかったり、「市」「区」「町」「村」をつぶしたり――技だらけの「住所」からさっそく見ていこう。
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