「アイデア出しは、練習すればある程度までは絶対にできます。ある程度というのは、サラリーマンをつつがなくやっていけるぐらいは大丈夫というぐらい。あとは、トレーニングの時間だけの問題。練習時間をどうやって作るかを考える必要があるかもしれません。自分で自分を律するのは難しいので、鬼コーチを見つけるのもいいかも」
トレーニングといえば最近、加藤さんはある先輩から「余分な話をしろ」と言われたという。何とか余分な話をするために、「メールの後ろに余談を付けるようになった」と笑う。ただ、こうして余談を付けることで、自分の知的領域や体験領域が広がる。仕事だけの話で終わらないからだ。それから、「自分がインプットするだけじゃなくて、誰かにアウトプットすると自分のものになります。教えると自分が一番学ぶ。理解しないと話せないからね」
「日本は豊かなので、どうしても選択肢が提示されてしまう。良くも悪くもね。選択肢を作り出す側に回ったことがないから、アイデアパーソンになれないのかもしれない」と加藤さん。
選択肢を作るには、ほかの選択肢とは異なる部分がなければダメだ。異なる部分を突き詰めれば、どんどん具体的になってくる。最終的には、その人自身の主観や個性が出てくるのだ。「アイデアを出したい人は、具体的でなければいけないのに、いろいろあったとかでごまかしちゃう。いろいろあったじゃだめなんだ」
そんな加藤さんだが、「31歳ごろまで自信がなかった」という。「公私関係なく、自分の中にこれだけは負けないことがないとつらい」。アイデアパーソンを目指す人には「自分の“代表作”を作れるといいですね」と話す。「世界に通じるようなものでなくても、売り上げ的には小っちゃくてもいいです。自分の代表作はこれですということになれば自信になるし、人とも話せるようになる。周りからの見る目も変わる。2009年はそういう1年にしませんか」
(終)
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