ちなみに筆者自身が「やってみたい」と思ったのは、1番のPCのデスクトップやブラウザのブックマークに「たぐる」フォルダを設置すること。普段からPCに向かって仕事をしている人であれば、効果も高そう。新年、気持ちも新たに「たぐる」フォルダを設置してみようと思う。
16番の「知らない人や用語を3回見かけたら、その人や用語について調べる」も情報のフィルタリングの方法としては興味深い。時間的にも物理的にも全ての情報をたぐれない以上、何らかの方法で情報を選別する必要があるわけで、「3回以上見かけたら」というシンプルな選別方法は意外と効果がありそうだ。
それから36番の「レストランで主体的に注文しない」も面白そうだ。何も考えずにメニューを見ると、ついつい自分の好きなものを注文しがち。そこで自分自身では注文せず、人の注文に同調することで、新しい発見を――というわけである。一部から「主体性のない人みたい」との声もあったが、手軽ですぐできるのもいい。筆者もやってみたい「たぐる」であった。
加藤さんによると「こうした方法は、使い方次第で『ぶつかる』『思い出す』『押さえる』『ほる』のいずれにも利用できる」という。例えば「たぐる」フォルダを設置することによって、興味深いことに「ぶつかる」をした時にそうした内容を保存したり、保存した内容を見て「思い出す」をしたりできるのである。方法を限定するのではなく、いろいろと模索することで、より深く広く「たぐる」ことができるのかもしれない。
最後に加藤さんの仕事道具(=考具)も見せてもらった。手帳、財布、携帯電話に加え、A4サイズのメモ帳、芯ホルダー、3色のマーカーをよく使うという。
いずれもメーカーに思い入れは少ないというが、こだわっていることもある。例えばメモ帳。格子状の罫線がポイントで、罫線に沿って文字を書いたり、罫線を目安にイラストを描くことが多いという。
Biz.IDで年末年始の10日間に渡って紹介してきた『アイデアパーソン入門』、いかがだっただろうか。「アイデアパーソンを目指す人は、自分の“代表作”を作れるといいですね」(加藤さん)というように、今回の連載がそんなアイデアパーソンの代表作に役に立てれば幸いだ。
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