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» 2009年04月24日 04時43分 公開

本名は書いてません、友だちしか知りません――それでもブログは問題?キーワードで学ぶセキュリティの基礎

「ブログやSNSはブラウザ上でちょこちょこっと操作するだけで、それなりに見栄えするページが作れちゃうよね」「はい、私でもやってるくらいですもん♪」「それが問題なの」「本名は書いてませんし、友だちしか知らないのに?」

[山賀正人,Business Media 誠]

 大手総合商社のメデア商事。入社2年目、総務部の山田カナは、昼休みに先輩の葛城レイコからITセキュリティの用語についてレクチャーを受けることになった


カナ すっごい今さらなんですけど、「Web2.0」って結局なんだったんですか?

レイコ な、なによ、いきなり。

カナ なんか2、3年前によく聞いた言葉で気になってたんですが、最近あまり聞かなくて。なので、なかなか人に質問できなくて……。

レイコ それもそうね(苦笑)。結論から言えば、Web2.0に明確な定義があるわけじゃないし、そういうテクノロジーがあるわけじゃない。技術用語じゃなくて、単なるマーケティング用語なの。

カナ なあんだ。

レイコ 要は、昔からあるWebの技術を利用して誰もが自由に情報発信できるようにした技術や、それを提供するサービスなど、さまざまなものを含めて、漠然と「次世代Web」みたいな意味で「Web2.0」と呼ぶようになったの。代表的なのがブログとかmixiのようなSNS。それまで作るのにちょっとしたHTMLの知識が必要だったホームページだけども、ブログやSNSはブラウザ上でちょこちょこっと操作するだけで、それなりに見栄えするページが作れちゃう。つまりWebが一般の人にも身近になった、っていうことでもあるの。ブログやSNSはものすごく浸透しちゃって、しかもある程度定着しちゃったでしょ?

カナ はい、わたしでもやってるくらいですもん♪

レイコ だから問題なのよ。

カナ どういう意味ですか!?

レイコ 誰でも気軽に情報発信ができるようになった分、あまりよくない情報発信が増えているってこと。会員制のSNSはもちろん、ブログでさえも、書いている本人は、自分が知っている身近な人しかアクセスしてきてないと思ってる。

カナ ええ。だって本名は書いてないですし。友だちにしか教えてないですもん。

レイコ それが甘いのよ。ブログはアクセス制限していない限り、書かれた内容が基本的に全世界に公開される。だからブログ検索などの検索エンジンを使えば、書かれた内容に含まれるキーワードに引っかかって、見ず知らずの人がアクセスしてくることは大いにあり得る。それにSNSも、いくら会員制とは言っても、友だちの友だちのさらにまた友だちのレベルに行ったら、ほとんど見ず知らずの他人でしょ? ブログと大して変わらないじゃない。

カナ 何だかちょっと不安になってきました……。

レイコ ブログやSNSをやること自体は別にいいと思うのよ。自分から積極的に情報発信したいものがあるならね。でも特にそういった発信したいものがないのに、流行りモノだからとか、単なる友だちとの情報交換目的だとしたら、やめたほうがいいと思うな。別の手段を使ったほうがいいわね。とにかくブログやSNSは誰が読むか分からないと言う意識を持って、書く内容に気をつけないと、いくら本名を明かしていない、書く内容も匿名化しているって言っても、書かれた内容から推定して、いろんなことがばれちゃう可能性だって充分にあるのよ。例えば住んでいる場所とか勤め先とか、仕事帰りにどこどこでなになにを買ったとか、日曜日にどこに遊びに行ったとか、気軽に書いちゃうことってあるでしょ? そういう情報を過去にさかのぼってかき集めれば、どのあたりで働いていて、どのあたりに住んでいるかっていのは大体絞られるのよ。特に、同じ会社の社員なら、会社付近のお店とかも分かるから、すぐに「おっ、こいつ同じ会社のヤツだな」ってばれちゃうと思う。で、そういうのが一番ヤバイ。興味を持って正体を調べようとするだろうし、それが結果的にストーカー行為に繋がる可能性だってある。特に若い女の子の場合は本当に危険。

カナ そ、そうなんですか。全然気にしたことなかった……。

レイコ ちょっと怖がらせすぎちゃったけど、気軽に誰でも情報発信できるようになった分、情報発信に伴う責任も増えたってこと。何をどこまで書いても大丈夫かってことをよ〜く考えた方がいいと思うな。

カナ はい……。

今日のまとめ

  1. Web2.0の代表格、ブログやSNSではたとえ匿名であっても情報発信の内容に注意すべき。

著者紹介 山賀正人(やまが・まさひと)

 セキュリティ関連の話題を中心に執筆中のフリーライター。翻訳(英語、韓国語)やプログラミング、システム構築のコンサルなど活動は多岐に渡る。JPCERT/CC専門委員。Webサイトはこちら


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