入退室も勤怠管理も――最新タイムレコーダー事情“最新オフィス機器”動向調査

中小規模の事業所や、パートやアルバイトが多いサービス業などの勤怠管理には欠かせないタイムレコーダー。「勤怠管理と入退室管理の連係」をはじめとする、最新のトレンドを探ってきた。

» 2009年07月09日 16時24分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 入退室時にカードを差し込むだけで、出社時刻や退社時刻を記録できるタイムレコーダー。中小規模の事業所や、パートやアルバイトが多いサービス業などの勤怠管理には欠かせないが、最近の製品はどんな風に進化しているのだろう。東京ビッグサイトで開催中の「国際オフィス機器展 OFMEX 2009」で、タイムレコーダーと勤怠管理の動向を探ってきた。

「入退室管理と勤怠管理を同時に」がトレンド

 機能と価格帯別に複数タイプのタイムレコーダーを展示していたのは、ニッポーのブース。最も安価な3万円台の製品は、時刻の記録(打刻)だけを行えるスタンドアロンタイプだ。続いて5〜6万円程度の価格帯には、打刻だけでなく勤務時間の集計も行えるスタンドアロンタイプが並ぶ。打刻だけのスタンダードタイプは数人程度のオフィスで、数人〜50人程度までの企業では、集計タイプを導入する場合が多いようだ。

 こうしたスタンドアロンタイプのタイムレコーダーでは、従来はタイムカードに入室/退室の時刻だけを記録する「2欄タイプ」が主だったが、最近は昼休みなどの休憩時刻も記録できるように「4欄タイプ」や、業界では「6欄タイプ」なども登場してきているようだ。

 出社と退社の定時をあらかじめ設定しておくことで、タイムカードには遅刻や残業マークが自動で付く。また、パートやアルバイトと正社員で異なる種類のカードを使うことで、パートは就業時数を、正社員は残業時数を集計するといったように使い分けが可能だ。また、できればあまり使いたくない機能ではあるが、日をまたいで仕事をする場合の「徹夜キー」なども搭載している。


 数十人からそれ以上の人数で利用する場合には、PCと連動してログ管理が行えるタイプが人気だという。USBケーブルでPCと接続したり、USBメモリやFlashメモリでデータを転送する製品が多いが「最近のトレンドは、入退室管理と勤怠管理を同時に行えるソリューション」(ニッポー)。ICカードリーダーと電子錠を用いて、オフィスの入退室時の時刻を、そのまま勤怠管理に利用するわけだ。

市販の給与ソフトとも連係

 同じくタイムレコーダーを展示していたマックスのブースでも、PC連動型の製品を多く見かけた。打刻データをCSV形式で出力してExcelで管理したり、専用の勤怠管理ソフトで個人別/グループ別に管理したりと、数百人単位での利用が可能だ。

 作成したデータは、弥生の「弥生給与」やソリマチの「給料王」、OBCの「給与奉行」などの給与ソフトと連係できる。また、「入れ替わりが早いアルバイトには紙のタイムカードを使い、正社員にはICカードを使う」といったように、異なるデバイスからでも1つのソフトで管理できるという。

 ネットワーク対応型のハイエンド製品なども増えてきて、選択肢が広がっているタイムレコーダー。利用時の規模や利便性とコストを比較しながら、自社に適した製品を選ぶことがますます重要になっていきそうだ。

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