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» 2010年02月22日 16時33分 公開

個人事業主もサラリーマンも読める「税金の話」:こんな人なら節税できる(後編) (2/3)

[奥川浩彦,Business Media 誠]

住宅ローン減税(控除)

 税制は毎年大なり小なりの変更がある。2009年(平成21年)で大きいのは住宅ローン減税(住宅ローン控除)だろう。住宅ローンのノウハウだけで1冊の本になるほど奥が深いので概要にとどめるが、昨年と今年は過去最高の住宅ローン減税が実施され、“買い”の時期なのだ。

 一般住宅で言うと、昨年または今年に入居した場合で、控除期間10年、ローンの年末残高限度額5000万円、控除率1%、控除可能額50万円(年額)、最大控除可能額500万円(10年間累計)となっている。加えて所得税から控除しきれない金額のうち、一定額を住民税から控除できるという内容だ。

 ちなみに、その1年前の2008年の場合は控除期間が10年と15年の選択があるが、10年の場合、ローンの年末残高限度額2000万円、控除率1〜6年目1%、7〜10年目0.5%、控除可能額20万円(年額)、最大控除可能額160万円(10年間累計)だ。

 住宅ローン減税は課税所得の控除ではなく、税額がそのまま控除される。実際に例をあげて計算してみよう。

 最大控除額の500万円をゲットするには10年後のローン残高が5000万円となるので、購入段階では7000万円級のローンを組むことになる。7000万円のローンを組むには年収1500万円以上と、普通のサラリーマンには縁遠い話になるので、ここでは4000万円のローンを35年返済、変動金利1.2%としてシミュレーションしてみた。年末残高が同じになるように2009年1月から返済を開始した場合と、2008年1月から返済を開始した場合の税制による差を比較している。

 以下の表は、左から年末のローン残高、2009年に入居した場合の各年の控除額、2008年に入居した場合の控除額の計算値(控除率1〜6年目1%、7〜10年目0.5%)、2008年に入居した場合の実際の控除額(上限値を越えているため限度額)。元データは1円単位まで計算しているが、ここでは単位は万円とした。

2008年と2009年時の住宅ローン控除額比較表(単位:万円)
年次 ローン残高 2009年控除額 2008年計算値 2008年控除額
1年目 3,907 39 39 20
2年目 3,814 38 38 20
3年目 3,719 37 37 20
4年目 3,623 36 36 20
5年目 3,526 35 35 20
6年目 3,428 34 34 20
7年目 3,328 33 17 10
8年目 3,228 32 16 10
9年目 3,126 31 16 10
10年目 3,023 30 15 10
累計控除額 347 284 160

 同じ4000万円のローンでも2009年に入居した人は347万円の減税となるが、2008年に入居した人は160万円しか減税されない。その差は187万円と、車が買えそうなほどの違いがある。入居が2008年の年末と2009年の年始のわずか数週間でも、10年間でこれだけの差になるわけだ。

 課税所得が410万円、所得税が39万2500円の人なら、ここからマイナス39万円して1年目の所得税は2500円となる。もし3年目に医療控除等で所得税が30万円になったとしても、所得税が全額の30万円、超過した分は住民税から7万円が控除される仕組みだ。

 本来は2008年末で住宅ローン減税は廃止になるはずだったが、2008年の夏に5年間の延長と過去最大規模というニュースが流れたことを覚えている。筆者は2008年の夏に車を買った。営業マンがマンションを購入するというので「来年入居なら過去最大のローン減税が受けられる」と話した記憶がある。2008年の11〜12月に入居するなら、1〜2カ月アパート代を払って1月に入居すれば、減税という大きな恩恵があったはずだ。個人事業主もサラリーマンも、税に関しては、知っていると得することは多々あると思われる。

 今回の住宅ローン減税はローン残高限度額が2011年以降1000万円ずつ引き下げられ、2013年には2000万円となる。これから家を買おうと思っている人は、詳細を調べて検討した方がいいだろう。

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