では具体的に、裁断機を用いた裁断の手順を見ていこう。今回裁断の対象となる書籍は、本誌の連載をまとめた単行本『3分LifeHacking』(ソフトバンク クリエイティブ刊)である。本のサイズは新書版よりひと回り大きく、カバーのほかに帯が付属する。ページ数は224ページだが、紙にやや厚みがあるため、本そのものは22ミリとそこそこ厚い。カラーページはなく、カバー・帯を除いてすべて白黒だ。
まずは本のカバーと帯を外し、本体だけにする。この際、折られているページがないか事前にチェックしておこう。裁断の際は問題なくとも、のちのスキャンの工程で問題となるからだ。合わせてしおりやチラシ、アンケートハガキといった類が挟まっていないかもざっとチェックしておく。また、ここで外したカバーと帯はのちほど加工するので脇にどけておく。
本に厚みがあり、裁断機にセットできない場合は、あらかじめ裁断可能な厚みに分割する必要がある。今回使用する「PK-513L」であれば1回でおよそ15ミリまでの裁断に対応するが、今回の『3分LifeHacking』は22ミリと裁断可能な厚みを超えているので、背表紙のところで折り曲げてカッターで2つに分割する。ちなみに文庫や新書であれば、だいたい200ページくらいが分割の基準になる。
次はいよいよ裁断である。裁断機を使った裁断作業そのものは何ら難しいものではない。PK-513Lの場合だと、作業台に本を乗せて位置を合わせ、レバーを固定しているストッパーを外し、レバーを下に押しこむことによって裁断する。PK-513Lでは、裁断位置を決める際に位置合わせ用のLED光源があるので活用しよう。
むしろ難しいのは「どの位置で裁断するか」だろう。あまり広い幅を切り落とすとページの付け根に印刷された部分が失われるし、かといってギリギリのところで裁断すると各ページについているノリが残ってしまい、完全に分離していないままになってしまう。これについては100パーセントの解はなく、ある程度の数をこなして感覚をつかむしかない。同じ本の同じロットでも、ノリづけされている幅が微妙に違っている場合もあるので、こればかりはいかんともしがたい。優先順位の低い本から試すことをおすすめしたい。
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