目指せ35%省エネ、今だからこそ“本気の節電術”(後編)大規模停電を回避せよ!(2/7 ページ)

» 2011年03月28日 19時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

ファンヒーターも組み合わせると

 我が家の省エネ関心度は筆者を10とするなら、息子が3、娘が2、奥さんが1といった感じだ。息子はセラミックファンヒーターを点けた時にオフタイマーの設定をしている。ウトウトと寝てしまっても点けっぱなしならない工夫だ。娘は昨年は協力的だったが、今シーズンはがんがんエアコンを使用している。女性陣は帰宅するとエアコンを点け、部屋を出て食事中もエアコンを止める気はない。よってこの冬の電気代は急上昇している。

 筆者はというと2年前までは灯油を18リットル×7〜8本くらい使っていたが、2010年、2011年は18リットル×1本と灯油の消費量を激減させた。そのためにしたことは、まず厚着をすること。フリースなど外出できるくらい着込めば暖房なしで過ごせる日が多い。靴下も効果は高い。さらにモコモコのスリッパを履くと足元はかなり暖かくなる。


ファンヒーター
消費電力 1カ月の電気代
(1日2時間使用)
50W 66円

エアコン
状態 消費電力 1カ月の電気代
(1日2時間使用)
送風 10W 13円

 石油ファンヒーターを使用する時は、エアコンの送風で天井付近にたまった暖気を降ろしてやると床側の温度は3度くらい上昇する。エアコンの送風は10W程度なので積極的利用したい。石油ファンヒーターの消費電力は方式により差があるが、三菱製のファンヒーターの場合点火まで600W必要だが、点火後は30W、微弱運転に入ると17Wとなっている。電源オンから2時間使用すると0.1kWhなので平均50Wくらいだ。トータルの暖房コストは灯油代や電気代のバランスによるが、節電ということならエアコンよりは確実に消費電力を下げることができるしピーク電力も下げられる。ただし新規に購入する場合、ブンゼン式ファンヒーターは消費電力が大きいのでよく確認した方がいい。

夏のオススメは「よしず」

 次は夏場の節電だ。筆者宅はマンションの4階なので、比較的風通しはいい。昨年の猛暑はかなり辛かったが、リビングのエアコンの使用回数は10回程度だ。基本は「我慢すること」になってしまうが、それなりに工夫をしたので紹介してみたい。

 まずは水まき。じょうろを購入し風上となる南側のベランダや北側の廊下に水まきをした。霧吹きも用意し、窓ガラスと網戸に噴霧し冷却を行った。実際に部屋に入ってくる空気の温度は0.5度くらいしか下がらないが、気分的には涼しくなった感じがする。南向きのベランダの壁は夕方を過ぎ夜になっても触ると熱いくらいになっていたので、水で冷やしてやることで夜間の温度が少しは下がったと思われる。

 使う水もひと工夫。夏場はシャワーなのだが、給湯器をオンにしてお湯を出しても、しばらくは冷たい水が出る。この水をバケツに溜めて翌日の水まきに使った。食器洗いの際も、最後のすすぎの水を洗い桶にためて水まきに使用した。

 我が家は東の角部屋なので午前中の日差しでキッチンが猛烈に熱くなる。そのため「よしず」を設置したところ、かなりの効果があった。よしずは驚くほど安いので、直射日光が入る部屋にはお勧めだ。

 扇風機の消費電力はエアコンより桁違いに少ない。基本的に扇風機だけで過ごすのだが、さすが屋外が38度くらいになると辛くなる。エアコンを使う場合は扇風機と併用すれば、ほんの少し冷房するだけで済むはずだ。昼間エアコンを我慢すると夜は涼しく感じるが、人間の身体は環境に順応するので、一度エアコンを使うと、わずかな暑さにも耐えられなくなる。

 今回、暖房の測定と一緒に冷房、ドライの消費電力も測定を行ったが、室外機も寒いところで動作しているので、夏場の消費電力とは異なる可能性がある。ドライに関しては機種によって冷房をしつつ暖房で温度を調節するタイプがあり、冷房より消費電力が増えることがあるのでよく確認したい。エアコンは一般的に暖房より冷房の方が消費電力は少ないようだ。とは言え消費電力は少なくないので設定温度を上げて我慢するように努めたい。暖房と同様スタート時点で設定温度を上げ、徐々に下げればピーク電力の節電になる。夏の電力不足は今以上なので、細かな工夫も大切になるはずだ。

エアコン
状態 消費電力 1カ月の電気代
(1日5時間使用)
冷房 564W(※) 1861円
ドライ 125W(※) 413円
※夏の測定ではないのでやや信頼性に欠ける

扇風機
消費電力 1カ月の電気代
(1日12時間使用)
24W 190円

エアコンの待機電力
状態 消費電力 1カ月の電気代
待機 5W 79円

 エアコンの待機電力は実測すると5W。電気代にして月79円だ。春、秋にエアコンを使わない方はコンセントを抜くようにしよう。毎日抜き差しするのは手間だが、シーズンオフに抜くだけならそれほど手間ではない。もう必要ないと思っている方は今日からコンセントを抜けばピーク電力も下がるはずだ。1台では小さな節電だが、国民全体で取り組めば大きな節電につながるだろう。

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