目指せ35%省エネ、今だからこそ“本気の節電術”(後編)大規模停電を回避せよ!(3/7 ページ)

» 2011年03月28日 19時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

新品でも意外と電気を消費する!? 炊飯器

 エアコンと並び白物家電で通電時間が長いのは炊飯器の保温だ。反面、タイマーで炊く時間をコントロールできるので、ピーク電力をずらすことが簡単にできる製品でもある。今回の記事では、わが家の炊飯器がたまたま故障して買い替えたので2機種の計測値を表示する。

 古い炊飯器はIH型で、保温時は23W、待機電力はかなり多く13Wとなっている。待機電力が多いのは古い炊飯器だから仕方がないと考え24時間タイマーを使うことを考えていた。例えば夕方炊いて食後には電源を切り朝食の1〜2時間前にオンにして保温状態で加熱、朝食後にオフにし夕方まで待機電力をカットするといった感じだ。電源オンで保温状態に復帰することは確認していたが、残念ながら24時間タイマーを設置する前に故障してしまった。

 新しい炊飯器は東芝製で、真空機能で40時間保温ができることが売りの製品だ。サイズも5.5合から10合(1升)炊きに変更した。新しい家電品は省エネと思っていたが、実測すると保温の消費電力は増大、待機電力も期待したほど下がってはいなかった。

炊飯器
形式 状態 消費電力 1カ月の電気代
(12時間保温、12時間待機の場合)
旧:IH型 保温 23W 182円
待機 13W 103円
新:真空IH 保温 36W 285円
待機 12W 95円

真空サイン点灯中。一定時間ごとに真空ポンプが作動し長時間保温を可能にする

 サイズが大きくなったため消費電力が増えたこともあるが、保温中に時々真空ポンプが作動することも影響していると思われる。真空機能の効果はなかなかのもので、24時間保温してもぱさぱさにならず、炊きたてとは言えないが問題なく食べられる。それが理由で機種選択したので、24時間タイマーの設置はまだ検討中だ。

 節約を考えると保温するよりラップで包んで電子レンジで加熱した方が電気代は削減できる。長時間保温は味も落ちるので思い切って保温機能を使わないことを考えてもいいだろう。ピーク電力の節電を考えるなら朝5時ごろに炊いて朝食が済んだら電源をオフ。夕方から保温でジワジワと加熱すれば電子レンジで加熱するよりピーク電力も下げられそうだ。コンセントを抜いても予約が有効で、保温が復帰する機種なら24時間タイマーで朝5時〜8時、夕方17時〜20時だけ通電するようにセットすればそれほど手間も掛からない。

白熱灯より蛍光ランプ、蛍光ランプよりLED

 照明器具はコンセントに挿すタイプとは違うのでワットチェッカーでの実測は難しいが基本的にはパッケージの表示通りの消費電力と考えればいいだろう。基本はまめに消すこと。蛍光灯のように複数本の照明は可能な限り暗くする。インバーター式も同様だ。白熱灯は省エネタイプに買い替えると消費電力が大幅に減少。電球形蛍光ランプにすれば約5分の1、LED電球にすれば約10分の1となる。

 一般家庭で白熱灯を使用しているのは浴室とトイレが多いのではないだろうか。家族4人で浴室を使う時間が1日合計2時間の場合、1カ月の消費電力と電気代は、

電球の形式 ワット数 消費電力 電気代
白熱灯 54W 3.6kWh 79.2円
電球形蛍光ランプ 12W 0.72kWh 15.8円
LED電球 6.3W 0.38kWh 8.3円

 となる。削減率は高いがコストの削減量はそれほどでもない。特に独身男性で1日20分しか浴室の照明を使わないといった方は大きな節約は期待できない。だが、ピーク電力を下げることはできるし、一度交換したら労力を掛けずに節電できるというメリットもある。LEDはやや高いが電球形蛍光ランプは200円台で買えるのでこの機会に替えてみるのもいいだろう。店舗など長時間点灯する場所で白熱灯を使っていれば大きな節電になるはずだ。

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