さすがは、○○○○屋の本店。4階のビジネス書のコーナーには、どれから手をつけたらいいのか分からないほどの本が並んでいた。
まずは「情報商材で稼ぐ」という類の本を読んでみた。何冊か斜め読みしたが、俺のやり方自体は間違っていないということが分かっただけだった。
無料の情報提供をし、ファンを集め、教材を売る。これが正解。だけど、まったく反応がないときにはどうしたらいいかということを書いてある本はないようだった。いま俺がメルマガで教材の広告を出しても、たぶん無視されるだけだろう。それどころか宣伝用のメルマガだと分かって、購読解除をする人が続出するに違いない。そんなリスキーなことをやる気にはとてもなれなかった。
ずばり「メルマガで成功する本」というのも読んでみたが、発行部数を増やす方法しか書いていなかった。それもけっこうお金がかかる方法が多かった。まがまがの有料広告サービスを使おうとか、プレゼントをしようとか。確かに費用対効果はありそうだが、いまの俺には金がないし、これ以上借金もできない。
無料で増やす方法としては、相互紹介という方法も書かれていたが、いまそんなことを頼めるメルマガ発行者の知り合いはいないし、まったく知らない人にそんなことをお願いする勇気もなかった。
この手の本には、何か肝心なことが書かれていない。それは何だろうか?
起業関連の本も何冊か目を通してみた。ほとんどが起業の準備に関する本だった。あとは、精神論だと思うような本ばかりだった。
次にいってみたのは、マーケティング関連のコーナーだった。抽象的な理論には用はなかった。できるだけ実際的なものはないかを探してみた。すると『必ず顧客が獲得できるDMの書き方』という本が目についた。
一瞬無関係かと思ったが、もしかしたらメルマガも、郵送料不要のDMかもしれない。そう考えて、目を通すことにした。
ぱらぱらとめくっていると「DMに反応のない7つの理由」という見出しが目に飛び込んできた。よほど「反応」という言葉に敏感になっていたのだろう。
これは、たぶん合格だろう。
いまのところ、まったく売り込んでいない。
これも、たぶん合格だと思う。
ビジョンというのは、俺の禁煙法を実施したあとにどんな効果があって、どんな気持ちになっているかということだろうか。ならば、いちばん一生懸命書いていることだ。
いまのところは自分自身の事例しかないが、それはしかたがない。60点というところか。そうだ、竹下の事例も使わせてもらおう。
なるほど。これだろうか? いや、今のところ売ろうともしていないから、これはたぶん禁煙法を実践したときの不安の話だろう。で、あれば問題ないはずだ。
具体的なオファーってなんだ? もう少し詳しく読んでみると、なあんだ、こんなことかと思った。要するに、DMの読者に具体的に何をしてほしいかを明確に書くということ。ただし、複数のお願いをしてはいけない。1つに絞り込め。
ん? 俺は、具体的なお願いをメルマガでしていただろうか? 「感想があれば、下記のメールアドレスまでお願いします」とは書いてある。けれども、これは具体的なお願いにあたるのだろうか?
自分が読者だとして「感想があれば云々」なんて言われても、やっぱり反応しないだろうなあと思う。
それにこれって「ハードルが低い」だろうか? いくら内容が良かったとしても、いきなり知りもしないやつに熱烈な感想を送れるだろうか?
あるいは、まがまがの読者は、自分のメルアドが知られないのに安心感を感じているのかもしれない。だとしたら、メルアドの分かってしまう感想メールなど送ってくるだろうか?
なにか具体的で、答えやすくて、しかもメルアドが分からない方法なら反応が分かるかもしれない。帰りの電車の中で考えた。選択してもらうだけのアンケートなら答えやすいのではないだろうか。メルアドなど個人情報の入力欄がなければ安心して書いてもらえるに違いない。
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