では、規制はどのように行われるのか。環七通りの内側は全面車両通行禁止となる。環七以外でも首都高速をはじめ主要道路を緊急自動車専用の緊急交通路として一般車両の通行を禁止する。
環七の外でも例外がある。環七の西側、国道246号線(玉川通り)と交わる上馬交差点(世田谷区)から南は、国道246号線上から南側全域が神奈川県境まで全て通行止めとなる。
さらに「○○街道」と呼ばれるような主要道路、多摩地区各地を相互に結ぶ主要道路は、環七の内外にかかわらず、緊急車両用緊急交通路として車両通行禁止になる。これらの道路には「緊急交通路」というナマズを描いた大きな標識を設置している。首都高速や東名道、中央道、東北道などの高速自動車道も緊急交通路になるので全面通行止めだ。これら通行禁止区域内の道路を走っている車は、道路の外か、緊急車両通行のさまたげにならないように道路脇に寄せて車を止めなければならない。
さらに、福生、昭島、八王子市と多摩西部を南北に縦断する国道16号線のラインでも規制が行われる。環七同様、ここから東側の都心方向には入れない。国道16号線から内側の都県境では都内への流入、都内からの流出の両方向とも禁止になる。
人知れず出番を待っている設備をひとつ紹介しよう。それは環七と交差する道路に設置している「防災型信号機」だ。これはなにか。単なる「左折の青い矢印を出す信号機」で三色の信号機の下、右折信号機の左隣についているが、通常は点灯することはない。交通規制になって、初めて信号機に命が宿って左矢印が点く。つまり、環七の交差点では赤信号と右矢印、そしてこの左矢印の防災型信号が一緒に点灯することで、直進して環七の内側に入ることができなくなる。先日の防災の日の訓練では、この信号機の晴れ姿を初めて目にすることができた。