どうする? サラリーマンの節税「大増税」時代に備えて(3/4 ページ)

» 2012年11月29日 15時10分 公開

税金コラム:税金と少子化問題

 平成21年(2009年)8月の衆議院議員総選挙から3年、11月16日に衆議院は解散しまもなく衆議院議員総選挙が行われる。ニュースや情報番組では消費税、原発、TPPが選挙の争点としているが、本当にその3つが日本の将来を決める最重要課題なのだろうか。各社の世論調査でも景気対策、社会保障に関心が高く消費税、原発、TPPへの関心は低めとなっている。

 筆者は日本の最優先課題は少子化問題だと思っている。2011年の出生率は1.39、年間の人口減は約20万人。高齢社会白書や日本の将来推計人口によると、65歳以上を支える現役世代の人数は1960年は11.2人、現在は2.7人、50年後には1.2人である。現在20代の人が70代になったとき、自分が年金を12万円欲しいと思ったら、子あるいは孫は給料から10万円の年金を天引きされるということだ。人口も50年後には32%減り経済も国力も衰退するはずだ。景気対策も社会保障も長期的に見れば少子化対策をしなければ解決しないと思っている。

 フランスか出生率を2.0以上に回復させたように、出産後の女性の職場復帰を企業へ義務付けることや産休制度の充実、出産などの手当の充実も必要。だがそれだけでなく、筆者は税制の見直しも少子化対策には重要だろう。

 現在の税金の仕組みでは、奥さんや子供がいても30〜40万円の優遇しかない。筆者自身、今年は私立大学生が2人となり出費のピークを迎え、控除による節税は焼け石に水。ぜい沢な暮らしをするなら独身の方がはるかに有利だろう。多くの若者が独身でいるより、結婚して子供を授かった方が得だと思える税制にすることも少子化対策に有効ではないだろうか。

 具体的には「独身税」の導入だ。例えば30歳で独身だと課税所得の10%を所得税と別に徴収。そこから毎年税率が1%上がり50歳で30%となり所得税と合わせると50%近い税率とする。これを財源に子ども手当(又は児童手当)は充実させ、1人目は月額3万円、2人目は5万円、3人目になると10万円といった感じで、独身より子供が多い方が贅沢な暮らしができる税制にするべきだ。加えて子供ができた後にハシゴを外される心配がない方式の税制にするべきだろう。携帯の料金プランように、以前の税制を廃止しても新しい税制を選択しない限りしない限り継続できるようなシステムを採用してほしい。

 少子化対策は今すぐ始めても、生まれた子供が働くのは20年以上先だ。結果が出るのは筆者が死んだ後だろうが、5年、10年と現在の放置状態が続けばさらに深刻な状況となるのは間違いない。長年放置してきた政党には期待できない感は強いが、各党は消費税、原発、TPPよりも少子化対策を具体的に示してもらいたい。

インフレ時代の確定申告

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