相手の自尊心をくすぐって好意を寄せてもらう世界で通用する人がいつもやっていること(1/3 ページ)

人間は理解されたいと思うもの。話を聞いてくれる人には自然と好意を寄せるようになります。世界で通用する人は相手の話をよく聞き、長所を見つけることが上手です。そして心を込めて褒めてあげることで、周りにいる人たちを虜にしているのです。

» 2013年06月06日 11時00分 公開
[中野信子,Business Media 誠]

集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について

 本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。

 著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。


著者プロフィール:

中野信子(なかの・のぶこ)

 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。

 現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

 学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする


自尊心をくすぐることで相手は自分に好意を寄せる

 フランス系ユダヤ人のAさんという女性がいます。大学院で音楽理論を学び作曲家として活躍しています。頭の回転がとても速い人で人を飽きさせるということがありません。絶世の美女というタイプではありませんが、小柄で愛嬌があります。いつも楽しいことを探しているようなキラキラしている瞳と、かわいらしい容姿とは対照的な低めのセクシーな声が彼女の魅力です。

 音楽分野で活躍していくには、自分1人がいい作品を書くだけでは不十分。演奏家やプロデューサー、音響など、さまざまな人の協力を仰ぐ必要があるということは、言うまでもないことです。そこでAさんは、自分が作曲家として技術を磨くだけでなく、周りにいる人の心をつかんで虜にするための努力をひそかに続けています。

 周りにいる人の心をつかんで味方にしていくというワザは、何も音楽分野に限らず、どんな仕事をする上でも役に立つスキルでしょう。ただ、役に立つことは分かっていても、そのためにはどうしたらいいのかすぐには思いつかないものかもしれません。

 Aさんが実行していたのは、相手の「自尊心」をうまくくすぐることでした。つまり彼女は、とても褒め上手だったのです。

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