動けないのなら、周囲の流れに身を任せてみようRe:Work !(1/2 ページ)

尊敬する人の言葉に“乗っかり力”というものがあります。言葉の通り、周囲の流れに乗っかってみることを示しているのですが、この力、どうやら悩み多きビジネスパーソンにこそ必要なもののように感じるのです。

» 2013年07月17日 10時50分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 いよいよ、夏本番です。梅雨明けいきなりの暑さに、ダレてしまっている人も多いのではないでしょうか。夏季休暇で少し長めの休みを挟むと、あらためて自分を見つめ直すことができるものです。特に久し振りに会う地元の友達などとの会話で、相手の充実振りに「自分もこのままじゃマズいのでは?」なんて感じたという話は、よく耳にします。

 私の尊敬する人の言葉に“乗っかり力”というものがあります。言葉の通り、周囲の流れに乗っかってみることを示しているのですが、この力、どうやら悩み多きビジネスパーソンにこそ必要なもののように感じるのです。今回は、その理由を少し紹介しましょう。

難しいのは「動く」こと?

 仕事にせよプライベートにせよ、人々の抱く悩みや不満はそれぞれです。そして多くの人が、その悩みや不満をどこかのタイミングで愚痴として外へと漏らします。

 「転職しようか悩んでいる」

 「異動させられて、仕事がつまらなくなった」

 「そろそろ結婚したいんだよね」

 「仕事以外に趣味を見つけたい」

 こうした愚痴を聞いて、どう感じるかもまた人それぞれ。しかし悩みや不満を漏らす人の多くが、残念ながら「言いっぱなし」の状態だと思います。もちろん言葉として誰かに聞いてもらうことで、多少気持ちが楽になることもあるのでしょう。ただ、いつまでも同じような愚痴を言い続けているのなら、残念ながら何も変わることはないのです。

 こうした話題になると、

 「言葉にするのは簡単。実際に動くことが難しい。」

 なんて言われるかもしれません。確かに愚痴を言うなんて誰でも出来ますし、その解決に進めていないということは、すなわち動いていないことに他ならないでしょう。しかし、少し考えてみてください。

 「動く」ことは、そんなに難しいでしょうか?

 動くことによって、得られる未来は誰にも分かりません。だからこそためらい、そのまま時が流れてしまうことは確かにあるでしょう。しかしほとんどの場合、「気持ち次第」ではないでしょうか。そしてその気持ちを後押ししてくれるチャンスが、本当は身近に数多くあると私は思うのです。

周囲の流れに身を任せる

 例えば私は、2011年6月末にマラソンを始めました。今では100キロを超えるウルトラマラソンを(たまに仮装して)走りますし、頻繁ではありませんがトライアスロンにも挑戦しています。仕事の合間や休日を使ってトレーニングしており、周囲からは「おかしくなったのでは?」と思われるほどランニング好きになっているのです。

 そのキッカケは、ある人が砂漠マラソンに初挑戦する際の壮行会をTwitterで知り、ノリで参加したことでした。ありえないチャレンジを目の当たりにした私は心に火がつき、「俺もマラソンやってみよう」と決意。その人とは、今同じトライアスロンチームに所属しています。偶然出会った“走る”チャンスに、そのまま身を任せスタートしたわけです(参考記事:トップビジネスパーソンはなぜ「走る」のか)。

 仕事でも同じ。例えば初めて経営に関わったのは、知人から「会社を立ち上げるから、手伝ってくれ」と言われたのがキッカケ。そのころ私は会社員だったのですが、幸いにも副業がOKな会社だったことから承認も得られ、法人の立ち上げ準備から設立後のWeb、営業面でのサポートをしました。

 現在その会社とは離れていますが、昨年まで取締役を務めています。声を掛けられた時に「役員になって失敗したら」「本業と両立できないんじゃ」などちゅうちょしていたら、今自らナレッジ・リンクスという会社を経営していることもなかったかもしれません。これもまた「声を掛けられた」という流れに身を任せ、そのまま乗っかっていった結果といえるでしょう。

 何もかも受け入れて身を任せろ……とは言いません。しかし背中を押す手を振り払い、せっかくのチャンスを逃していることは多いと思います。本当に悩み、しかし動けずにいるというのなら、せめてその流れに乗っかってみるのはいかがでしょう。少なくとも、何もせず現状維持でいるのとは別の未来が待っているハズです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ