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» 2013年10月03日 12時00分 公開

ぶら下がり社員は30代だけじゃない――上司、会社側ですべき対応とは?続「新・ぶら下がり社員」(1/3 ページ)

「変な話、20代で言われるようなことを40、50代になっても指摘されている人もいます」。辞めないけど頑張らない。そんなぶら下がり社員を生み出してしまう職場にはどんな原因があるのか。今すぐ取りかかるべき解決策とは?

[上口翔子,Business Media 誠]

新・ぶら下がり社員とは

会社を辞める気はない。でも、会社のために貢献するつもりもない。そんな30歳前後の社員のことを、本連載では「新・ぶらさがり社員」と呼ぶ。


『「新・ぶら下がり社員」症候群』 『「新・ぶら下がり社員」症候群』(吉田実・著、東洋経済新報社、本体1575円)

 辞めません、でも頑張りません――。目的がないゆえに、会社では時間を「つぶす」ことに明け暮れ、常に70%の力で仕事に取り組む「新・ぶら下がり社員」。これまで2回にわたり、新・ぶら下がり社員が生まれてしまう原因や、実際に新・ぶら下がり社員だった人が立ち直った事例を紹介してきた。

 最終回は、そんな新・ぶら下がり社員が立ち直るための方法と、上司や会社側でできる解決策を人材育成企業シェイクの吉田実代表に聞いた。

今まさに「ぶら下がり状態」の人へ

上口 当時、私もそうだったのですが、ぶら下がりって何だかんだで居心地がいい面もあるんですね。ただ、そんな社員ばかりになると、周りで頑張っている人たちの負荷が大きくなる危険があります。そんな部下を抱える上司は、燃え尽きていく社員とぶら下がり社員の面倒を見ながら、かつ業績のことも考えなくてはいけないので大変です。部下としてできることはありますか?

吉田 いろいろありますが、最終的にはきちんと自分と向き合って、自分の「したい」という気持ちを見い出していくことが大事です。結局、その「したい」という気持ちより「やらされ感」が強くなってしまったり、日々のマンネリ感が高まってくると、「この組織じゃもう無理だ」という諦めが生まれます。すると、「この組織で頑張ったって、もう駄目だ……」というような思いが強くなってしまいます。それを打ち破る原動力となるのは、やはり自分の「したい」という気持ちなんだと思います。

上口 その「したい」気持ちはどうすれば見い出せますか?

シェイクの吉田実代表

吉田 1つは周りの人にアドバイスをもらい、考え直すきっかけを作ること。また部署異動や、環境を変えることが刺激となって自分を見つめ直すケースもあります。

 人は「自分のことを見つめ直してください」といわれても、なかなかできないものです。なぜなら、自分のことを客観的に見る鏡が必要だから。そんなときには、自分と違う業界の友人に相談してみるといいでしょう。

 また、海外に行って自己を見つめ直す方法もあります。海外に行くと、日本にいるときには分からない日本の良さが分かるといいますよね。その論理で、自分のよさを見直すんです。人は誰しもいいところがあります。その自分の良さに、自分できちんと気が付くために、人に相談したり海外に行ったりして鏡を見ることで、何か気付きがあればいいなと思います。

上口 鏡、ですね。確かに分かります。先日学生時代の友人と会う機会があって、お互いにどんな仕事をしているかを話したんです。そうしたら友人に「楽しそうなことしていていいね」といわれて。最初は「え、そうなの?」と意外に思ったのですが、よく考えたら「楽しい仕事をさせてもらえていて、幸せだ」と気付いたんです。だからもっとそこで自分の良さを出していこうと。

吉田 人と話をすると、自分の本来やりたかったことや、原点のようなものを思い出すキッカケになりますよね。

 重要なのは、自分で自分をしっかり見つめ直すことです。「自分がそもそも大切にしていることは何だろう」とか「そもそも私は何にイライラしているんだろう」とか「何に引っ掛かかっちゃっているんだろう」などと考えてみると、答えが出るかもしれません。

 上口さんは当時ぶら下がりだったときのことを振り返って、諦めた瞬間を自覚していましたよね。中にはそもそも自分が何がきっかけで諦めて、ぶら下がり状態になったのかを自覚していない人もいます。自覚せずに、溺れてしまっているケースが結構あるんです。自分の今の状況を、時間を取って振り返るのはすごく重要だと思いますね。

 1人でどこまでできるかはもちろんあると思いますが、振り返ることによって、自分のすばらしさを1つでも見つけてほしいです。

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