会場ではタッチアンドトライコーナーが用意され、実際にSuper ATOK ULTIASを試すことができた。
プレミアムサクサクタッチパネルと従来機種を比較するコーナーには、タッチした指の軌跡をハードウェアがどのように認識したかを図示する比較アプリが用意された。既存モデルと比べると、素早く指を動かしたときの軌跡がより滑らかに取得できているのが分かる。
次にアプリごとに辞書の優先順位が変わる様子をチェックしてみた。例えば同じ「かな」という文字入力を行った場合、地図アプリを使っていれば「神奈川県」と地名が第1候補として表示されるが、メールでは「かなり」という話し言葉が、連絡帳では「金沢」「金森」といった名字が表示される。
スマホでの文字入力は、動きながら、立ちながらの入力が多い。PCとは異なり長文を一気に変換することもなく、いかに次の言葉が予測されるのかが効率化の鍵となる。ATOKは、高い変換効率ゆえに人気が高かったが、Super ATOK ULTIASでは変換効率だけでなく、利用シーンを想定したチューニングまで行われているのは興味深い。
例えば、地図アプリはビジネスパーソンにとって必須のツールだ。場所を検索するのは移動中であることが多く、不安定な状態で文字入力を行うことになる。Super ATOK ULTIASでは「有楽町」と入力すると、都道府県名からの住所表示を変換候補として出す機能がある。入力したい「有楽町」が東京都なのか、愛知県なのかを気にせずに入力できるのは便利だろう(もちろん、それ以外の都道府県でも)。
これまで富士通のスマホでは、人の活動をサポートする「ヒューマンセントリックエンジン」という機能を前面に押し出していたが、その内容は正直分かりにくいものがあった。しかし、文字入力はまさに人とスマホとの接点だ。「文字入力がしやすい」ことが、新たなスマホの差別化要素になり得そうだ。
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