売上を伸ばすための10の秘けつモバイルパワー2014(2/3 ページ)

» 2014年06月03日 10時30分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

秘けつ3:会話時間の比率は3対7

 セールストークの技術が求められるのが営業職だが、本来、営業マンがしゃべりまくるのは問題だ。

斉藤氏: トークの割合は、自分が3、相手が7です。お客さんが話すことの中にニーズや課題が隠れているのに、ほとんどの営業は一方的に話しています。重要なのは、相手に考えさせて、発言させること。いろいろな角度から切り込める質問集を頭の中に作っておくといいでしょう。

 若手なら、先輩がどんな質問をしたかをメモしておくのもいいですね。後で先輩に「なぜ、この質問をしたのですか」と聞き、検討することで営業力はグッと上がります。

秘けつ4:事前準備は入念に

営業

 営業でも交渉でも、相手のことを知っておいて損はない。それは、相手に関心を持つということだからだ。

斉藤氏: 例えば、訪問先の従業員数や売上額を聞いても分からないなど、事前準備ができていない人が多いですね。多くの企業がWebサイトを開設しているので、会社情報があればチェックしてください。もっとオススメなのは、採用情報のページです。社長のメッセージや企業概要が外部の人に分かってもらえるようにまとめられています。

 事前準備で大切なのは、集めた会社の情報から課題を想像して、仮説を立てること。「妄想力」といってもいいでしょう。情報を集めていると、何となく見えてくることがあります。例えば、「以前、営業にいった会社と似ている。課題も同じでは」といった妄想から、提案シナリオが作れます。それを、実際の現場で検証すればいいのです。仮説どおり受注できたら、これほど面白いことはありません。営業のだいご味ともいえます。そのためには、日々の訪問のたびに仮説と検証を繰り返すことです。

秘けつ5:モレなくヒアリングする(BANTC)

 営業では、相手の話の中から課題やニーズを探ることが重要だ(秘けつ3)。いわゆる「ヒアリング」だが、これを抜け漏れなく実施することは非常に難しい。

斉藤氏: Budget(予算)、Authority(決裁権者)、Needs(ニーズ)、Time frame(導入希望時期)、Competitor(競合)という5つの切り口、「BANTC(バントシー)」を覚えると、モヤモヤはなくなります。ほとんどのケースで、この5つ全てを聞き出せていません。

 予算を聞くには、以下のフレーズを一言一句違えずに話してください。「今回のご予算のイメージはいくらくらいですか? 言える範囲で結構ですので教えていただけませんか? 私どもとしましては、お客さまに最適な提案をさせていただきたいのですが、予算とのずれが大きいと良い提案ができないので、必ずお聞きするようにしているのです」。

 また、決裁権者の確認はシンプルです。「今回の件は、最終的にはどなたが判断されるのでしょうか?」。トークも仕組み化しておけば難しくありません。

秘けつ6:課題を深堀りし、真因を探る

 お客さんから聞き出した課題の深堀りほど難しいものはない。相手が口に出したことのみを解決するのではなく、その根本的な原因を解決する提案ができれば、売上は格段に伸びるという。

斉藤氏: 相手の言ったことだけを真に受けて提案しても、浅い提案にしかなりません。課題は階層化していますから、表面上の課題をヒアリングできたら、その課題の原因は何か、さらにその原因の元になっていることまで探りましょう。そのためには「なぜ」を繰り返すことが有効です。「現状はどうなんですか?」「なぜ、実現できていないのですか?」「なぜ、そのような状態になっていると思いますか?」と3回くらい繰り返せば、真因が見えてくるでしょう。

斉藤芳宜

秘けつ7:あるべき姿を売る

 今は、モノ余りの時代だ。すでに相手が持っているものをさらに売るのは難しい。営業を成功させるためには、相手をワクワクさせることが重要だ。

斉藤氏: 相手がワクワクするには、「機能」を売るのではなく、「あるべき姿(効果)」を売らなければなりません。効果とは、「この商品を買うことで、こんないい状態になりますよ」ということです。そのためには、圧倒的な成功事例を用意することが大切で、商談では他社の成功事例の説明に多くの時間を使うべきでしょう。

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