そろそろ、年末年始の大掃除の時期です。今年こそLATCHの法則をヒントに、身の回りのアイテムをスッキリ整理して、新年を過ごしてみませんか?
「片づけ」は出版界においては鉄板らしく、いまだに新しい「片づけ本」が登場します。多くの人の深層心理に「本来はきちんと整理したいけどできていない」という意識がくすぶっているんでしょうね。
今回紹介する「LATCHの法則」は、整理の基本ルール。そろそろ、年末年始の大掃除の時期です。今年こそLATCHの法則をヒントに、身の回りのアイテムをスッキリ整理して、新年を過ごしてみませんか?
LATCHの法則は、米国の建築家でグラフィックデザイナーでもあるリチャード・ワーマンが考案した情報整理の基準です。ワーマンは、TEDカンファレンスの創立者の1人でもあります。
彼は、「情報量は世の中に無限に近いくらい存在しているが、その整理する基準は次の5つしかない」と言い放ちます。その5つとは……、
だそうです。この頭文字をとってLATCHの法則と呼ぶのですね。
例えば、「仕事に使うものをどこに収納するか?」という課題について考えてみましょう。
まず、使う場所によって分類、配置するLocation(ロケーション)。マーカーやプロジェクターなど会議室で使うものをまとめたり、外出先で使うものをミニバックにまとめてかばんに入れておいたり、といった対策が考えられますね。
次に名前による分類であるAlphabet(アルファベット)。すべての引き出しにアルファベットを割り当て、該当する引き出しにはそのアルファベットで始まるものだけを収納する。膨大な作業量がかかる点と名前自体が思い出せない場合はけっこう辛いですね。アルファベットを「あいうえお順」と読み替えてもかまいません。
使う時期によって分類するのがTime(タイム)です。使う時期ごとにファイルを用意し、その中に「そのとき使いそう」なアイテムを収納してみます。「超」整理法を考案した野口悠紀雄さんは、すべての分類をやめて「時間軸」のみをキーとして情報を分類しました。
Category(カテゴリー)は、「総務人事関連」「営業関連」「事業計画」といった種類によって分類する方法です。アイテム数が少ないうちはいいのですが、アイテム数が増えるとすぐに破たんするのもこの手のやり方。「なんでコレがあっちのフォルダに入っているの?」なんてことになりがちです。なぜなら、MECE(モレなくダブリなく)にカテゴリ分けするための基準を見つけるのは至難の業ですから。
重要度やレベルで分類するのがHierarchy(ヒエラルキー)。「重要度が高・中・低で分ける」とか、「頻度が毎日使う、たまに使う、めったに使わない」とかが当てはまります。一見、論理的なやり方ではないように思えますが、意外と利用価値が高い分類方法なのです。
以前、筆者自身の引越のエピソードからダンボールを整理するフレームワークを編み出した話(参考記事)をしました。ここで使ったのは「Location(どこで使うか)」と「Category(重要ですぐ使うか)」という2つの基準の組み合わせでした。
どういう基準がしっくりくるかは読者のみなさん自身にお任せするとして、こうした5つの基準を頭に入れておくと、膨大な作業や情報整理の際に途方にくれなくていいと思います。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.