総務の代表的な仕事、「法定事務」を知る新人・若手担当者のための総務の仕事術(1/3 ページ)

総務担当者に必須の知識や仕事の進め方を紹介する本連載。今回は、総務の代表的な仕事である「法定事務」について、制定の背景や立法の趣旨を解説します。

» 2014年12月17日 06時00分 公開
[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「疑問、悩みを解消! 新人・若手担当者のための総務の仕事術」から一部抜粋・編集して掲載しています。


総務の仕事は法律と密接な関係がある

 代表的な総務の仕事として、法律に関わる「法定事務」があります。社会保険事務、労働保険事務、労働基準法関係の事務、源泉徴収事務などです。

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 各法律が時代の動向に合わせて改正されれば、当然、関係する社内規則や手続きの見直しが必要になりますが、各法律が立法された趣旨や目指すべき目的自体はあまり変わりません。

 したがって、一見すると遠回りなようでも、まずは法律が制定された背景や立法の趣旨を理解しておくと、法定事務に対する理解も早まります。

 法定事務には、それぞれ法定期限が設けられていますから、「いつ」「どこへ」「何を届け出る必要があるか」というスケジュール管理が必要です。

 業務カレンダーでスケジュールの管理を行ない、届出(提出)漏れや遅延などを起こさないように心がけましょう。それでは、以下、代表的な法定事務とそれらを規定している法律、所管官庁などを確認していきましょう。

協会けんぽと年金事務所への届出事務

 現在の日本の社会保険制度は、まず1922年に健康保険法が立法化されました。

 健康保険法の目的は、被保険者やその家族(被扶養者)が病気やけがをした場合の医療費の負担、病気やけがにより会社を休業した場合の生活費の補助、出産や死亡時の保険給付を通じて、生活の安定を図ることにあります。

 そして1954年には、厚生年金保険の制度ができました。

 厚生年金保険法は、被保険者や被保険者だった社員の老後の安定した生活を保障し、また在職中に病気やけがにより働けなくなった場合の生活費の補助などを行なうために制定されました。

 介護保険の制度が始まったのは2000年のことです。介護保険法の施行により、介護等が必要な人が、能力に応じて自立した日常生活を営めるように、必要な保険医療サービスや福祉サービスを受けられることになりました。

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 以上の健康保険・厚生年金保険・介護保険については、労働者5人以上の個人事業所と、5人未満も含むすべての法人事業所が、強制適用事業所として加入が義務付けられています。

 なお、2014年7月1日から協会けんぽ(全国健康保険協会)の申請書・届出書が刷新されています。詳しくは、協会けんぽのホームページで確認してください。

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