『Twitter革命』――KNN神田敏晶さん:Twitter読書
国内の利用者数は250万人、関連サービスも続々と登場しているTwitter。この最新動向をまとめたのが、ジャーナリストである神田敏晶さんによる『Twitter革命』だ。個人と企業・メディアの関係が進化していることがありありと分かる名著である。
連載「Twitter読書」について
Twitterを利用することで、著者と読者の直接交流を実現する仕組みです。用意した専用ハッシュタグを使って著作の感想・質問を投げると、著者から直接返答があるかも。記事中のウィジェット上で発言を閲覧できますし、自分のTwitterクライアントからもハッシュタグをつければ投稿・確認できます。未読の人もブックレビューを見ながら質問してみて、購入の参考になればと思います。
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新しいコミュニケーションツールであるTwitter。国内の利用者数は250万人と言われ、関連サービスも続々と登場し人気を博している。このTwitterの概要と最新の動向について、ジャーナリストである神田敏晶さんがまとめたのが『Twitter革命』。長年、個人発信のメディアを手がけてきた神田さんらしく、個人と企業・メディアの関係が進化していることを理解させてくれる。突撃取材などによるオリジナルのネタも豊富だ。
個人は企業・メディア化、企業・メディアは個人化
Twitterによる個人と企業・メディアの変化について、本著の中で一貫して語られている。
1:個人の企業化/メディア化
Twitterの登場によって、個人の力はますます強まっていく。ブログやmixiによっても個人の情報発信は進んだが、Twitterは2つの観点でさらなる強みをもつ。1つは低コストであること。メッセージ140文字以内という制限が功を奏し、情報発信のための時間がかからなくなった。神田さんは、ブログはネタ2割・分析コメント8割であるのに対し、Twitterはネタ9割・分析コメント1割であって労力が極めて少ないとしている。実際、忙しい著名人もブログ以上にTwitterを利用し始めているようだ。もう1つの強みは伝搬する力。Twitterでは気軽に転送・引用(ReTweet・QuoteTweet)できるために、ユニークな情報はあっと言う間に広がっていく。マスメディアを経由しないと周知できなかったブログ・SNSに対し、Twitterなる単独で情報を広げられる。
2:企業/メディアの個人化
一方、Twitterにおいて企業・メディアは個性が求められる。単なる告知やのっぺりしたニュースを書き続けると、共感されずフォローされることは少ない。情報を伝える上でも、担当者の主観的な思いをむしろ率先して載せることが求められる。毎日新聞のTwitter公式アカウントでは、「コッコちゃん」なるキャラクターが発信しているためにユーザーから親近感をもたれているようだ。
Twitterを楽しむことで個人が目覚め、そして世界が変わっていくと神田さんは言う。変化の先にどんな社会が待ち受けているか、神田さんに聞いてみたい。
『Twitter革命』の著者:神田敏晶さん(Twitter)
ジャーナリスト。Mac系フリーペーパーの編集長などを経て、1995年に世界で一番小さなデジタル放送局「KNN.com」を起業。関西大学講師、デジタルハリウッド講師、宣伝会議「編集・ライター養成講座」講師としても活躍。著者に『Web2.0でビジネスが変わる』『Youtube革命』『ウェブ3.0型社会』など。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。
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