青色申告ソフトを画像で解説、確定申告マニュアル:個人事業主もサラリーマンも読める「税金の話」(4/4 ページ)
国税庁のWebサイトにある「確定申告書作成コーナー」を利用すれば、けっこう簡単に確定申告ができる。サラリーマンは手元に源泉徴収票を用意して読んでほしい。
みんなの青色申告2010
みんなの青色申告2010も2年間でさまざまな機能が追加されている。具体的には、
- ダブルセキュリティ機能:バックアップデータの暗号化
- e-Tax連携オプション
- IB連携オプション:ジャパンネット銀行の取引明細を取込可能
- 減価償却の即時償却(措置法28の2)に対応
- クイックアクセスバー、月タブの追加など機能改善多数
などだ。ジャパンネット銀行の取引明細の取込は、ネット通販などを行っている人には大きな改善ポイントだ。1日1件の取引でも365、10件なら3650も相手先や金額を入力しなければいけないところを、勘定科目以外の入力を自動化できれば、大幅な作業軽減となる。ちなみに「やよいの青色申告10」にも「MoneyLook for 弥生」という機能があり、多数の銀行口座との連携ができるが、使ってみた感じはIB連携オプションの方が操作性はよさそうな印象を持った。
前回の記事で筆者が唯一使いにくいと指摘したのは減価償却の即時償却(措置法28の2)の処理だった。裏技的な操作を必要としていたが、「みんなの青色申告2010」ではプルダウンメニューに即時償却が用意され、簡単に操作できるようになった。「みんなの青色申告2010」の方が「やよいの青色申告」より機能改善がされた印象だ。
参考:みんなの青色申告9
青色申告ソフトはメーカー間のデータ互換性はない。一度使い始めるとメーカーを変更しにくいジャンルの製品だ。過去データを無視すれば乗り替えは可能だが、操作面での慣れもあるので、同じ製品のバージョンアップを繰り返すことが多い。今回紹介した2製品は、実績もあり、どちらを選択しても問題はないと思われる。最初によく検討してからメーカーを決めてほしい。
確定申告のシーズンなので、数回に分けて税金について書いてみた。実際に確定申告に関係するのは個人事業主の方が多いと思うが、今回はサラリーマンの方にも少し税金のことが身近に感じられるよう意識したつもりだ。筆者は数年前まで税のことは何も知らないサラリーマンだったし、現在も詳しいわけではない。実際に確定申告をしてみようと思う方は専門書を読むなど、より詳しく調べていただきたい。
関連記事
- 第1回 まずは税金ってナニ?
【短期集中連載】税金というナゾ。会社勤めの人でも覚えておくと損はない基礎的な知識を、筆者が独立するにあたり実際にいろいろやってみて知った中からお伝えしていこう。 - 第2回 儲けたら節税
前回は税金の仕組みの概略を説明した。でも税金で一番知りたいのは、どうやったら減らすことができるかだろう。フリーランスの人が“領収書”を気にする理由、教えます。 - 第3回 青色申告ソフトを実際に使ってみた
前回、前々回と税金とは何か、そして税金を節約するにはどうすればいいかを紹介した。ここからは、個人事業主の青色申告に欠かせない「青色申告ソフト」を実際に使ってみる。 - 第4回 最も重要な伝票入力を比較してみた
筆者のようなフリーランスでも、年間の伝票枚数は1000枚近い。青色申告ソフトを使う上で“伝票入力”が簡単かどうかは非常に重要な点だ。その点について、「やよいの青色申告」「みんなの青色申告」「やるぞ!青色申告2008」のそれぞれを見ていこう。 - 最終回 決算処理を比較する
税金のキソから節税、各青色申告ソフトのインストール、さらに各ソフトへの伝票入力と進んできた今回の短期集中連載。最終回は入力したデータを元に、申告のために必要な決算処理の出来を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.