PCブラウザ上の電話番号を1クリックでスマホに転送――Sleipnir 3.5
フェンリルはPC用Webブラウザの最新版「Sleipnir 3.5」をリリースした。PC用だが、あえてスマートフォンユーザーを意識した機能拡張をしている。
フェンリルは6月28日、PC用Webブラウザの最新版「Sleipnir 3.5」をリリースした。対応OSは、WindowsがXP/Vista/7、MacがOS X Lion/Snow Leopard。
今回は「Sleipnir 3のリリース以降、初の大幅バージョンアップを図った。PC用だが、あえてスマートフォンユーザーのWeb利用イメージを意識した機能を搭載している」(フェンリル)。主な特徴は(1)スマートフォン連係(2)Webアプリ連係(3)WebKit採用の3点だ。
PCで検索した番号をスマホに
勤務中にこっそり、PCで飲み会用のお店を検索して後で予約を取ろうと思ってメモをとる。外出先の住所を手帳に記入して後からスマートフォンで検索する――こうしたよくありそうな場面に、ちょっとした手間を感じたことはないだろうか。Sleipnir 3.5を使えば、電話番号や住所を1クリックでスマートフォンに転送できるようになった。
これは、新搭載したスマートフォン連係によるもの。Sleipnir 3.5(PC側)からスマートフォンにインストールしてある専用アプリ「Sleipnir Linker」にデータを送信できる機能だ。Sleipnir 3.5で閲覧しているページのURLやページ内に記載している電話番号、文字列をスマートフォンに送信できる。
Sleipnir 3.5で閲覧するページ内に含まれる電話番号は全てクリック可能な状態とし、その電話番号をクリックすると、スマートフォン側に電話番号を送信。受信した端末でそのまま電話をかけられる仕組みだ。
同様に、住所や文章、URLなどの文字列を右クリック選択して、スマートフォンに送信し、その文字列に応じた処理をすることも可能だ。例えば、PCで右クリック選択した住所をスマートフォンに送信し、プッシュ通知を受けたスマートフォンで即座に地図アプリを起動して住所を表示する、という操作ができる。
なお、スマートフォン連係の利用にはフェンリルのマルチデバイス同期サービス「Fenrir Pass」のIDが必要となる。Sleipnir Linkerをスマートフォンやタブレットにインストールしておき、Fenrir PassのIDで認証する。アプリの対応OSは、iOS 5.0以降、Android OS 2.2以降(Google playへのリンク)。
(※)iOS版については近日中に公開予定。
各種Webサービスをブラウザの一機能のように利用できる
ビジネスの場面でも利用する機会が増えたSNSを始めとする各種Webサービス。それらはPCでもスマートフォンからでも同じように利用できるのが特徴の1つだ。ただ、それぞれのWebサービスごとに利用方法が異なるため、それらを併用する場合には、Webサービスの数だけブラウザに拡張機能を入れたり、ブックマークレットと呼ばれるスクリプトを登録したりする必要がある。
Sleipnir 3.5であれば、複数のWebサービスを同一インタフェース上で利用できる。それがWebアプリ連係機能だ。TwitterやFacebook、Dropbox、Evernoteなど、各種利用方法が異なるWebサービスを、Sleipnir 3.5のインタフェース上で利用可能にする。
具体的には、Sleipnir 3.5で閲覧しているページの任意の場所を右クリックすると、そのページを「共有」「保存」「あとで読む」の3アクションいずれかを選択できる。
例えば共有を選択すると、Twitter、Facebook、LinkedInなどのWebサービスに投稿、保存を選択すると、DropboxやEvernoteなどのオンラインストレージにページを保存、あとで読むを選択すると、Readabilityなどのあとで読むサービスに登録、の操作をSleipnir 3.5上でできる。複数のWebサービスへ同時投稿/保存も可能なため、TwitterとFacebook、Google+にマルチポストするなどの操作も可能だ。
各種Webサービスとの認証は、Fenrir Passのアカウントにひも付けて設定する。初回利用時の共有、保存、あとで読むの操作で表示するダイアログで「+」をクリック、もしくは直接認証ページにアクセスをして、連係したいWebサービスを登録する仕組みだ。
現状で対応しているWebサービスは以下の通り。今後もGoogleリーダーやはてなブックマーク、LINEなどのWebサービス対応を予定している。
共有:Twitter、Facebook、LinkedIn、Tumblr、Flickr、Google+
あとで読む:Readability、Instapaper、Pocket(旧 Read It Later)
保存:Dropbox、Evernote、SkyDrive
WebKitおよびChromeエクステンションへの対応
レンダリングエンジンには、Google ChromeやSafariなども採用している「WebKit」をデフォルトとした。それにより、ページの表示速度や安定性の向上など、パフォーマンスを向上。「表示スピードの速さでChromeを選択しているユーザーなどにも満足してもらえるはず」(フェンリル)としている。
またWindows版については、Google Chromeのエクステンションと呼ばれる拡張機能も利用可能となっている。
今回のバージョンアップは、先述した通りスマートフォンユーザーが「こういうWebの利用をするだろう」という行動を予測した機能を実装している。フェンリルでは昨今のスマートフォン、タブレットの普及に伴い、PCとスマートフォン間の閲覧データのやりとりをより少ステップで容易にできることが必要だと考えた結果だ。今後も各種デバイス間のデータ操作を簡素化するようなアップデートを重ねていくとしている。
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