これからは男性のほうが大変? ワーキングマザーの本音:座談会(2/2 ページ)
子育てと仕事を両立している女性3人に集まってもらい、会社側が用意している制度をどのように活用しているのか。今後子育てをしていくうえで、会社側に求めることなどを聞いた。
働く女性にとって今は追い風?
――男性、女性問わず、もっとこうしたら子育てと仕事の両立が楽になる、というようなことはありますか?
中根さん: 最近「ワーキングマザー」という言葉が騒がれるようになって、実はいまのこの状態は、働く女性にとっては追い風で、良いげたを履かせてもらっていると感じています。
というのも、母親かどうかは関係なく、誰しもがプライベートがあり、生活がありますよね。結婚していようが子供がいようがいなかろうが、全員生まれてきている以上は家族がいて友人関係があります。
それを「ワーキングマザー」という言葉で特別なことのように見られていることのほうが違和感があります。仕事後にやりたいことがあるのはみんな同じ。それを子供がいる女性だけ、とくくるのは止めようと言いたいですね。
大久保さん: 分かります。
工藤さん: ワーキングマザーだから遠慮してもらっている、というのは感じますね。例えば飲み会の誘いなど。実際に誘われたら断ることがほとんどなのですが。
中根さん: 子供がいなくても飲み会に参加しない人はしない。それがその人なんだ、ということですよね。
工藤さん: あとは女性だけに柔軟な働き方を用意してくれても、結局は旦那さんである男性の労働時間を短くしない限り女性側が三重苦というか……。結局全部、フレキシブルな労働環境を与えられている女性が、育児も家事も負担を負うことになるんです。
大久保さん: 私はこれからの時代、男性のほうが大変になるだろうと思っています。先ほどのワーキングマザーへの追い風の話ではないですが、社会的にどんどん女性に対する後押しが高まっているのを感じています。この流れが進むと、例えば女性の管理職を積極的に採用する企業が増え、同じ能力で男女が横並びになった場合にもしかしたら女性のほうが有利かもしれません。
中根さん: 男性でも女性でも、バリバリ働きたいという人はいいと思います。ただ、女性はこれまで出産を機に休みに入り、一時的にブレーキをかけることができました。もしも男性が同じことをしようと思っても、今はまだ選択しにくい状況にありますよね。
会社に行けばもっと働けといわれるし、家に帰れば奥さんには家事を手伝ってと言われるし。
大久保さん: 男性は、働くしかないですもんね。
工藤さん: いつか男性女性というくくりをなくして、労働やスキルに見合った待遇が受けられるようになれば、ライフスタイルに合わせた働き方が選べる時代がくるかもしれませんね。
中根さん: 子育てに関する制度は、どうしても女性だけ特別扱いになってしまいがちです。これからは男性でも女性でも、どういう生き方、時間の使い方をするかを考え、選択することが求められます。そして何かを選択するときには必ず、同時に何かを手放さなくてはなりません。その覚悟を持つ必要があると思います。
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