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» 2006年02月27日 23時16分 公開

韓国携帯事情:韓国市場でのカシオ──個性派「canU」シリーズ

韓国市場で活躍する国産メーカー──その1つがカシオ計算機だ。カメラの進化と共に存在感を増し、現在は「G'z One TYPE-R」を販売中。カシオに聞いた。

[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国の携帯電話で「canU」シリーズといえば、LG Telecomのみに対応した個性的な携帯電話シリーズとして有名だ。全体的に黒やシルバーが多い韓国携帯の中で、黄色やオレンジといったポップなカラーや、防水などのほかにはない機能などが個性派から支持されている。そんなCanUのメーカーとして韓国でも知られるカシオ計算機に、canUや韓国市場での展開について話を聞いた。

ユニークなイメージでコアなファンが支持

 canUシリーズはカシオブランドで販売されてはいるが、メーカー名よりもシリーズ名がより前面に出ている。それはcanU端末のカラフルでポップなデザインや個性的なCMなどが、一目見ただけで強い印象として残るからかもしれない。

 「Can you?」の意味を持つこのシリーズ名は、他社にはない高機能な端末を持つユーザーの視点から「あなたにできる?」という意味が込められているという。ターゲットは「最新・高機能を追求するユーザー。年齢的には20代後半〜30代前半がそれに当たる。言葉で表すと“独特な個性を表現するのが好きな人”」(カシオ広報部)ということで、日本よりもさらにターゲットが絞られているイメージだ。

最新の「防水フォン」ことcanU 502S(日本名:G'z One TYPE-R)は130万画素(2005年12月19日の記事参照)。よくある画素数ではあるが、単なる画素数だけでなく、撮った画像が高画質である点が評価されている。色は「ソウル・グリーン」「トレンディ・オレンジ」の2つ
「HS8000」(日本名:W21CA)の色は「イエロー」のみ。日本にはなかった色展開だ

 カシオがcanUシリーズで韓国市場に進出したのは2003年7月のことだ。当初から韓国市場で断続的に機種を販売する意向があったということで、1号機からcanUというシリーズで販売されている。これまでに販売されたのは6機種。基本的に日本の端末と同様のものだ。

 カメラ搭載、高画素カメラ、高精細・ワイド画面というように進化してきたcanUシリーズを見れば、韓国の携帯電話のトレンドをたどることができる。

発売日 韓国型番 日本型番 特徴
2003年7月 HS5000 A5302CA 35万画素カメラ搭載
2003年11月 HS6000 A5401CA 1Mピクセルカメラ搭載(韓国で初のメガピクセル携帯)
2004年3月 HS6500 A5401CA II 1Mピクセルカメラ、MP3プレーヤー搭載
2004年10月 HS7000 A5403CA 2Mピクセルカメラ、QVGA画面搭載
2005年4月 HS8000 W21CA 2Mピクセルカメラ、ワイドQVGA画面搭載
2005年12月 canU502S G'z One TYPE-R 1Mピクセルカメラ搭載、タフネス性能
canUシリーズの機種名と、日本での機種名

 特筆すべきは2003年11月に販売された「HS6000」(日本名:A5401CA)だろう。1Mピクセルのカメラを搭載したHS6000は、カシオによると「韓国初のメガピクセル携帯」だったという。また2004年に販売された「HS6550」(日本名:A5401CA II)には、MP3機能が搭載されている。当時、日本で販売されていた「A5401CA II」にはなかった機能だが、韓国では既に流行していた機能とあってcanUでも搭載することとなった。

 そして現在、最新機種である「canU502S」の特徴は丈夫さと防水性だ。厚めでカラフルな本体は、本体の色と形態がブラック&スリムが流行している韓国市場の流れ(2005年10月7日の記事参照)とは逆を行く。しかしそれがコアなファンを生み出している要因でもあり、インターネット上ではcanUシリーズの公式Webサイトのほかに、canUのユーザーグループも多い。これらのユーザーたちからは、デザインやカメラの画質に対する評価が高いという。その時その時の最先端の機能を載せつつ、ほかとは違ったデザインや質で勝負する、個性的な携帯がcanUなのだ。

日本と類似した市場で成功を収めるカシオ

 canUシリーズが韓国に進出したきっかけは、「LGTの端末戦略とカシオの商品戦略を付き合わせた成果、方向性が一致したため」(カシオ広報部)だという。高機能な端末を、韓国市場に投入したいとの意向があったLGTとカシオ側で、同一の戦略を持っていたことがcanUシリーズ登場の弾みとなった。

 ではなぜ進出先が韓国市場だったのだろうか。カシオでは韓国市場を「世界市場の中で、日本に最も類似した市場」との見方をしている。モノクロからカラー、大画面、QVGAと進化する表示液晶、10万、30万、100万……と高画素化が進むカメラなどはその代表的な例だ。

 韓国市場は携帯加入者3850万人と日本の半分程度の市場規模だが、携帯普及率の面で見ると79.5%と高いうえ、世界に先駆けてCDMA方式を商用化した実績がある。2004年からいち早くMP3機能付きの端末が増え、今では必須機能になっている点など、カシオが評価している点は多い。

 カシオでは今後も韓国市場へ、継続的に端末を供給していく予定だ。韓国独自の機種を日本メーカーが作るということはこれまでなかったが、canUシリーズがこのまま好評ならば独自端末を開発し、さらなる市場開拓を担うこともあるかもしれない。

 実は日本で発表された端末が、韓国で販売されるケースはカシオ以外でもあり、以前は三洋や東芝の携帯電話もよく見られた。このほか日本以外のメーカーではNokiaも参入していたが、今は撤退しており、韓国で見られる外資系メーカーの端末はMotorola程度になってしまった。canUシリーズで6機種しか出していないカシオを韓国内の大手メーカーと比較することはできないが、韓国に進出し成功している日本メーカーとして今後も活躍を続けてほしいものだ。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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