これに対しドコモは、第二世代のリチウムイオン電池を積極的に適用する“緊急的”の対応に加え、マイクロ燃料電池の適用を“長期的”の対応として取り組む考えを示す。携帯用に採用する燃料電池として、水素を燃料に用いる固体高分子形(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)とメタノール水溶液を用いるダイレクトメタノール方式(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)を主に検討し、メーカーと共同で開発を行っている(2006年7月の記事参照)。
主な燃料電池の種類 | リン酸形(PAFC) | 溶解炭酸塩形(MCFC) | 固体電解質形(SOFC) | 固体高分子形(PEFC) | ダイレクトメタノール方式(DMFC) |
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燃料 | 水素(改質ガス) | 水素、一酸化炭素(改質ガス) | 水素(改質ガス) | メタノール水溶液 | |
電解質 | リン酸 | 炭酸リチウム、炭酸カリウム | 安定化ジルコニア | イオン交換膜 | |
イオン伝導種 | 水素イオン | 炭酸イオン | 酸素イオン | 水素イオン | |
動作温度 | 約200度 | 約650度 | 約1000度 | 常温〜約100度 | 常温〜約50度 |
固体高分子形ないしダイレクトメタノール方式の燃料電池は、動作温度の低さが特徴。上記表の方式以外のモバイル向け燃料電池の検討も行われている。
ちなみに、歌野氏は携帯用燃料電池の具体的な要求条件として
の項目を挙げている。
歌野氏は「1、2年以内に外付けのクレードル・充電器型の燃料電池が商用化されるだろう」と展望を示し、将来的に端末内に燃料カプセルと反応セルを含める、完全内蔵型の実現を目指すという。
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