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» 2006年07月14日 18時18分 公開

ドコモ、燃料電池を利用したFOMA用小型充電器を試作

ドコモとアクアフェアリーは、世界最小のPEFC方式燃料電池を開発し、携帯電話の充電器として動作させることに成功した。今後実用化へ向けて共同開発を行う。

[園部修,ITmedia]
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 NTTドコモとアクアフェアリーは7月14日、世界最小サイズ(2006年7月現在)のPEFC型燃料電池を利用したFOMA用の充電器を試作し、その動作検証に成功したと発表した。

 PEFCとは、Polymer Electrolyte Fuel Cellの略で、水素を燃料として利用する固体高分子型燃料電池を指す。発電は水素と酸素を反応させることで行い、メタノールを燃料とするDMFC(Direct Methanol Fuel Cell/直接メタノール型燃料電池)よりも高出力、高エネルギー密度化が期待される方式だ。

 今回試作した充電器は、アクアフェアリーが持つPEFCの技術と、ドコモのFOMA共通充電仕様に準拠した充電回路の技術を融合したものだ。アクアフェアリーの独自技術である、水から水素を発生させる水素発生剤や、薄膜成型技術を用いた発電セルなどが利用されている。

 このPEFC方式の充電器は発電効率が非常に高い点が特徴で、2005年7月6日に発表した富士通研究所と共同開発したDMFC方式の燃料電池(2005年7月6日の記事参照)と比較して、サイズは4分の1以下で、2倍以上の出力を実現している。その結果、3.6ボルト、800ミリアンペアアワー(mAh)のリチウムイオン充電池を搭載したFOMA端末であれば、ACアダプタを接続した際と同程度の時間で、3回以上充電できるという。

 両社は今後、PEFC方式の燃料電池を利用した充電器や燃料電池の実用化へ向けて共同開発を進める。燃料電池を用いる充電器タイプの製品は、1〜2年後の商用化を目指す。

 ドコモはワイヤレスジャパン2006でこの燃料電池充電器を試作品を展示する。

 試作した充電器の主な仕様は以下の通り。

サイズ 24×24×70ミリ
重さ 約45グラム
燃料 水+水素発生剤 10cc(カートリッジ交換式)
出力 2ワット
容量 10ワットアワー(Wh)
充電可能回数 3回以上
充電時間 約120分/回

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