安全性の面ではデッドセクションが優れているけれど、列車の編成以上の長距離で電力が供給されない。デッドセクション内では電車の加速ができないし、速度も下がる。だから駅間距離の短い区間ではエアセクションが採用される。報道によるとエアセクションは関東に900カ所もあるそうだ。架線を注意してみると並んでいるところを見つけられる。夜ならスパークで分かる。
ATCは自動列車制御装置の略だ。従来の赤・黄・青の地上信号に代わり、運転席に最高速度を指示する。速度を超えていた場合は自動的に減速し、危険な場合は非常ブレーキを作動させる。京浜東北線・根岸線はデジタル式のATCを採用しており。路線の状況によって最適な非常停止位置を決定する仕組みだ。
その「最適な非常停止位置」の判定にはエアセクションの位置も考慮されている。ただし、文字通り「非常」の停止位置であり、電車同士の衝突防止装置である。作動した場合は急ブレーキとなり、乗客に衝撃を与えかねない。クルマに例えると、赤信号で停まるたびにフルブレーキとなってエアバッグが作動するようなもの。そうならないように、あらかじめスムーズに停めたい。これは「人間の運転士」なら、誰もが心掛けることだろう。
荷物検査は本質ではない 東海道新幹線火災から考える
架線柱倒れにトンネル白煙、相次ぐJR事故からビジネスマンが学ぶこと
鉄道会社の「虚偽申告」 鉄道事故の原因究明は十分か?
JRの運転士が「水を飲んだら報告」だった理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング