宮崎: 加盟店さんに大きな負担をかけさせるわけにはいきません。10年経てば、手元に現金が残っているケースが多いので、無理なく改装できますよね。
土肥: いや、難しい部分もあったのではないでしょうか。例えば、「トイレを広くするぞー」となった場合、店によっては客席が減るかもしれない。となると、トイレを改装することによって売上減という事例ができてしまうと、改装を控えているオーナーの中には「いや、ちょっと待てよ。やっぱりトイレは広くしない」となるかもしれません。表現は悪いのですが、ゆっくり進めることで、悪い部分があれやこれや出てくる。逆に、速く進めれば、悪い部分が見えてこない。
宮崎: 確かに、そうした部分もあるでしょう。ただ、ココイチの場合、改装した店舗の売り上げがアップしました。売り上げがアップすれば、どう思われますか?
土肥: 「じゃあ、ウチもトイレを広くしよう」となる。
宮崎: こんなことを言うと信じてもらえないと思いますが、何か新しいことをするときに「儲かるからやろう」とは思っていないんです。
土肥: 誰も信じませんよ(キッパリ)。
宮崎: 「儲かるからやろう」ではなく、「お客さんが便利になるから、やったほうがいいのでは?」といった発想なんです。例えば、店内に漫画や雑誌などを置いていますが、どのような考え方をしたのか。ひとりで食事をされているお客さんが多い→することがなくて間がもたないのでは?→夜は満席にならないことが多いので、ゆっくりしていただきたい→漫画を置いたら心地いいかも→漫画を置く……といった流れでした。
ドライブスルーを設置してみてはどうか、という話があったときには「ウチはハンバーガーを販売しているファストフード店ではない。カレー屋がやってもダメだ」「運転中にカレーを食べることはできないからドライブスルーを利用する人は少ない」といった声がありました。でも、ドライブスルーを設置したらお客さんは「便利」になるのでは、という発想から導入してみました。すると、想定以上に女性客の利用が多かったんですよね。
土肥: どういうことでしょうか?
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