土肥: カレーチェーン店が他の外食産業と違うのは、ランチで勝負しなければいけないこと。アルコールとの相性はよくないので、客単価は上げにくい。そうした環境なのに、ココイチは売り上げを伸ばしていて、業界トップを独走している。ハンバーガーや牛丼チェーンが苦戦する中で、なぜココイチの業績は好調なのでしょうか?
宮崎: 最大の要因は「既存店の売り上げ」が堅調に推移していることではないでしょうか。対前年比5%、10%増といった数字を目指しているのではなく、“1%伸びればいいのでは”といった考えなんですよ。現場で活躍されているオーナーさんにとっては、本部の売り上げが伸びるよりも、自分のお店のことのほうが気になりますよね。もちろん本部も伸びなければいけませんが、よりチカラを入れているのは既存店なんです。
土肥: 既存店の売り上げを増やすために、どのようなことをされているのでしょうか?
宮崎: チェーン店といえば、どこのお店に行っても、同じメニューで、同じ味を楽しむことができる、といったところが多いですよね。当社でもかつては同じようなことをしていて、どこかの店が「こんなことをやりたい」と言ってきても、却下してきました。しかし、7年前に「ストアレベルマーケティング」を導入したんですよ。ストアレベルマーケティングとは、それぞれの店の特性に応じて、独自のサービス、独自のメニューなどを提供すること。そこのエリアまたはお店でしか食べることができないメニューを考えてもらったところ、今では毎週50〜60ほどのアイデアが出てくるようになりました。
土肥: そ、そんなに!? どんなメニューを発売しているのでしょうか?
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