なぜ日本ラグビー界は、五郎丸の海外移籍を“歓迎”するのか赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2015年11月12日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]
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日本ラグビー界の浮沈の鍵を握るキーパーソン

 日本のプロ野球やサッカーのJリーグと違って日本ラグビーのJRTLはプロリーグではない。企業が主の社会人チームとプロ契約を結んでいる選手もいるものの、中にはヤマハのように日本人選手とのプロ契約を認めていないチームもあって所属選手は全て社員というケースもある。つまり五郎丸もヤマハの社員というわけで一般社員と同じ待遇であれば「年収500〜600万円」(ヤマハ関係者)とのことだ。このようにまだまだ発展途上のJRTLが今回のW杯イングランド大会における日本代表の躍進を皮切りに今後人気がどんどん上がっていくとすれば、プロ契約を結ぶ選手も増えて底上げが成され、全体的な待遇改善にもつながるかもしれない。

 それに五郎丸らのようにJRTLの日本人プレーヤーが掛け持ちしながらSRの開催時期だけ“レンタル移籍”する形ならば、JRTL開催時には海外でプレーした選手が日本の所属クラブに凱旋する格好となって、より脚光を浴びることにもなるだろう。

 ちなみに五郎丸はレッズに所属する期間中、クラブ側から1000万円前後が年俸として保証されているとの報道もある。それでもヤマハの年収と合わせれば推定で1500万円ほど。ラグビーのフランスリーグ「トップ14」に所属する「ラシン・メトロ92」のSOであるダン・カーター(ニュージーランド)の年俸が約1億8000万円であることと比較すれば、まだまだ世界には上がいる。そうした世界基準に少しでも近づく活躍を五郎丸は見せることができるのか。

 まずは11月14日・ヤマハの一員として迎えるトヨタ自動車とのJRTL開幕戦。日本ラグビー界の浮沈の鍵を握るキーパーソンのプレーに注目だ。

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