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» 2015年11月12日 08時00分 UPDATE

赤坂8丁目発 スポーツ246:なぜ日本ラグビー界は、五郎丸の海外移籍を“歓迎”するのか (2/4)

[臼北信行,ITmedia]

家族との時間を大切にしたい

ヤマハとレッズを掛け持ちしながらプレーする

 五郎丸のようにJRTLとSRを掛け持ちする選手は他にもいる。日本代表のFLツイ・ヘンドリック(サントリー)は五郎丸が加入することになったレッズ所属として今年のSRで試合を行っており、来年も契約を結んでいることから五郎丸とはチームメートになる。

 日本人選手でスーパーラグビー挑戦の先陣を切ったSH・田中史朗(パナソニック)は来年も4年連続でハイランダーズ(ニュージーランド)においてプレーすることが決まっている。日本代表で主将を務めるFLのリーチ・マイケル(東芝)も昨年大活躍を果たし、その名を轟(とどろ)かせたことでチーフス(NZ)から高い評価を受け、再契約を結び来年もSRのピッチに立つ。

 そもそもラグビーファンの方々以外は、SRの存在そのものを知らない人も多いと思う。SRはW杯優勝経験国のニュージーランドと豪州、南アフリカによって組織された「SANZAR」(3カ国ラグビー連合協会)が運営するラグビーの国際プロリーグ。SRの大会期間限定で編成されるクラブチームがしのぎを削る。2016年の大会からは新たに南アフリカのキングス、アルゼンチンを本拠地とするチーム(名称はまだ未決定)、そして日本のサンウルブズと3チームが加わって計18チームに増えた。

 来季からSRに参入することが決まり、母国で新設される日本チームの「サンウルブズ」でプレーする選択肢は五郎丸になかったのか――。そういう疑問もふと沸いてくるであろうが、あえてその道を選ばなかったことについて五郎丸は「家族との時間が取れない。(豪州ならば)家族も一緒に行けるし、子どもにもいい経験になるはず」と述べていた。

 SRは南アフリカグループとニュージーランド・豪州グループに分かれており、それぞれのグループ内に2つずつのカンファレンスが形成されている。要は18チームが4つのカンファレンスに地区別で振り分けられているということだ。

 日本のサンウルブズはニュージーランド・豪州グループのニュージーランドカンファレンスに組み込まれており、同カンファレンス内のチームとはホーム&アウェー形式で戦わなければならないことから必然的に海外遠征が多くなる。一方のレッズはニュージーランド・豪州グループの豪州カンファレンスで、同カンファレンスの他4チームはすべて豪州を拠点にしているから国内での戦いがメインになる(長くなるので割愛するが、SRでは異なるカンファレンスのチームとの対戦も数試合必ず組まれている)。「家族との時間を大切にしたい」という五郎丸の言葉に偽りはないだろう。

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