白鵬の頭の中に「引退」の文字はチラついているのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2016年01月26日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 角界が大いに盛り上がった。

 大相撲初場所(両国国技館)は大関琴奨菊が今月24日の千秋楽で豪栄道を破り、14勝1敗で初優勝。実に10年ぶりとなる日本出身力士の優勝は2006年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来の栄誉となった。31歳11カ月での初優勝は年6場所制となった1958年以降で3番目の高齢初Vだが、その15日間に渡る取り組みも3横綱との直接対決をすべて制しただけに賞賛に値する内容だったと言えるだろう。“遅咲き”の琴奨菊だが、初めての綱とりに挑む春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)で満開になることができるのかに注目したいところだ。

 さて、その一方で気になったのは、横綱白鵬だ。3場所連続で優勝を逃したのは2012年の夏場所から秋場所にかけて以来となったことで、周囲からは「心の中に何か大きな変化が生じつつあるのではないか」と懸念する声も出始めている。今回はそんな白鵬が抱いている現在の本音と心境を分析し、千秋楽のNHK大相撲中継で起こった“ある出来事”についても触れながらフィーチャーしてみたい。

舞の海氏の発言

 今場所の白鵬の成績は12勝3敗。星勘定だけを見れば、そこまでひどくはないにしても、あの無類の強さを誇るような相撲が今場所終盤はやや鳴りを潜めた感があった。それでも最後まで優勝争いに絡んでいたのは横綱の意地と言えるが、結局は大事なところで失速してしまった。14日目の稀勢の里戦では中途半端な立ち合いとなり、左手を相手の喉元に突き出し、やや右に動いて立ったが、上体が浮いてズルズルと後退。そのまま押し出され、あっさり土俵を割ってしまい、痛恨の2敗目を喫した。

 そして千秋楽、結びの一番。取り組みを迎える時点で琴奨菊の優勝が決まっていたとはいえ、相手の日馬富士に立ち合い変化からの上手投げであっさりと敗れ、余りにも淡白な内容で場内のため息を誘った。

久しぶりに角界が盛り上がった
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