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» 2016年04月02日 08時15分 公開

徳川家康が爪を噛み続けるわけ、それは……「真田丸」を100倍楽しむ小話(2/2 ページ)

[ITmedia]
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編集部F: へえ、短気の一面もあったんですね。歴史上の人物はいろいろな描かれ方がありますが、私の中での家康像は、子どものときに愛読していた『小学館 学習まんが 少年少女 人物日本の歴史』です。織田家に人質として送られるなど、幼少期からずっと苦労して、それでも我慢し続けていた姿が印象に強く残っています……と、古い話ですみません。

小日向: 本質的には短気な性格だったとしても、家康のすごいところは、自分をどんどんと進化させていくところです。例えば、有名な「しかみ像」です。これは武田信玄率いる武田軍と戦った「三方ヶ原の合戦」でコテンパンに敗れて、命からがら浜松城に逃げ帰り、そこで絵師に自分の姿を描かせたものです。

家康が祈願所とした浜松八幡宮 家康が祈願所とした浜松八幡宮

 この発想は天才的だなと思いました。大将たる者がおもらしするまでの恐怖に追い詰められて、多くの家臣を犠牲にしながら逃亡したみっともない姿を、今後の戒めのために描かせたわけです。普通ならば一刻も早く忘れたいのに……。その失敗を忘れることなく、自分をどんどん成長させていったのが家康です。

 いつの世にも天才はいますが、真似できない天才と、真似できる天才の2つのタイプがあると思います。織田信長や豊臣秀吉は前者でしょう。信長のような創造的破壊はとても真似できないし、秀吉の人たらしも天性のものです。

 それに対して、家康の行動はほかの2人と比べてまだ凡人も学べることが多いのではないでしょうか。しかみ像のエピソードもそうだし、大敗を喫した武田軍から強さを学ぼうと戦術を取り入れたり、武田家滅亡後には家臣団を登用したりと、常に成長していこうとする姿勢が尊敬できます。

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