少年少女の模範生・二宮尊徳は世界きっての経済イノベーターだった歴ドル・小日向えりの「もしあの武将がネットサービスを使ったら……」(3/5 ページ)

» 2016年05月07日 07時15分 公開
[小日向えりITmedia]

服部家の財政を立て直す

 江戸時代後期、当時の武家はどこも借金苦に悩んでいました。貧農から大地主となり、その才覚を認められた尊徳は、小田原藩の重役を務めてきた服部家の財政復興の依頼を受けます。

 服部家は年収の倍以上である214両、今に換算すると2000万円ほどの借金に音を上げていました。尊徳はこの借金苦から、近代的な方法で服部家を救い出します。

 当時、両替商からお金を借りると10%〜20%という高金利でした。そこで尊徳は、低利でお金を貸し付けて、まずは高利貸しへの借金をまとめて返済させました。

 次に、生活の中の細かい無駄をなくさせます。例えば、鍋の底が焦げていると火が回らないので焦げつきを落とすなど、徹底した節約意識を服部家に浸透させるのです。結果、5年間で214両を完済させるだけでなく、300両の貯蓄ができたというから驚きです。

 ここでもう1つ、尊徳の名言をご紹介します。

 「無駄をなくして、その物が持っている性質、良さ、特徴を生かすこと。それが倹約というものだ」

 確かに、お金持ちほど無駄を嫌う人が多いように感じます。ケチと倹約の違いを考えさせられる深い言葉ですね。

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