社員にプロジェクトを押しつけていた失敗から学んだこと「よなよなエール」流 ガチンコ経営(3/6 ページ)

» 2016年05月12日 08時00分 公開
[井手直行ITmedia]

 プロジェクトメンバーを募集すると、ポツポツと手が挙がり、2〜3人のスタッフが参加してくれました。でも、もう少し足りません。そこで、私が指名はしないのですが、興味を持ちそうなスタッフにそれとなく「あのプロジェクト興味ないの〜?(笑)」などと声を掛けてみることにしました。

 「やりたいけど忙しいので……」「難しそうな仕事なのでちょっと……」というように、やんわりと断るスタッフがいる中で、何人かは「やりたいんですけど、自分がその仕事をするとほかのチームメンバーにしわ寄せがいき迷惑をかけそうで……」と、周りを気遣ってプロジェクトへの参加を迷っていました。

 そういうスタッフに私は、「大丈夫だよ。実務に支障がでない範囲のかかわり方でいいから。それと、ディレクター(チーム責任者)には私からもプロジェクトは大事だから仕事のボリュームは調整してねと言うし。新しい仕事にチャレンジしたら楽しいと思うよ! 今後この仕組みを定着させたいからその先駆けでチャレンジしてみたら!」と応援のメッセージを送りました。その結果、さらに数人が参加してくれて、新人、ベテラン、プロジェクトとは関係が薄い部署のスタッフと、さまざまな人が集まったのです。

 こんなにもプロジェクトに興味を持っている人がいるとは思わなかった。自分は今までやる気がある人の芽を見つけ、育ててあげることができなかったのかと、とても反省しました。一方で、トップダウンの指名でやりたくもない人にその仕事をさせていたなんて、何という不合理なことをしていたんだ、ということも深く考えさせられました。

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