国土交通省が5月23日に「バスタ新宿」のオープン後1カ月間の利用状況について発表した。1日平均で約2万人が利用している計算で、乗り換え時間の短縮や国道20号(甲州街道)の渋滞緩和などの効果があったとしている。
バスタ新宿は、JR新宿駅南口に4月4日にオープンした交通ターミナル。新宿駅周辺の19カ所に散在していた高速バス乗降口を集約し、利便性の向上を図った。
バスの利用客はオープン1カ月で約58万人。1日平均の約2万人は、成田空港の国内線利用客に匹敵する規模といい、ゴールデンウィークのピーク時には1日に2.9万人に上った。山梨・長野方面や、富士山方面への利用客が多かった。
周辺の高速バス乗降場を集約したことで、鉄道からの乗り換えがスムーズに。これまで最大14分かかっていた乗り換えが1分に短縮され、移動についての満足度はオープン前の48.6%から81.2%へと大きく向上したという。
以前のターミナルはバリアフリーや待ち合い施設などに課題を抱えていたが、オープン後はいずれも大幅に満足度が改善。今後、Wi-Fiや観光情報センターなど、インバウンド(訪日外国人旅行)にも向けたサービスを充実させる計画だ。
バスタ新宿にタクシー乗降場を組み込んだことで、新宿駅南口前を走る国道20号の渋滞が緩和。タクシーの乗降や待ち車列がなくなった結果、直近で月平均2.6件起きていた人身事故が、オープン1カ月では1件に減るなどの効果があったとしている。高速バス乗降場がなくなった新宿駅西口の中央通り周辺も、車の平均速度、急ブレーキ回数とも改善したという。
利用者からは「乗り換えが便利になった」「施設がきれいで待ちやすくなった」といった評価する声がある一方、「コンビニやカフェ、トイレやベンチが少ない」「駅構内からバスタ新宿までの案内が少ない」といった不満の声も上がっている。
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