高いプロパンガス料金に困っている人へのアドバイスマネーの達人(3/3 ページ)

» 2016年06月20日 06時30分 公開
[鈴木秀男マネーの達人]
マネーの達人
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プロパンガス会社の変更が難しい3つの理由

理由1. 業界では「しがらみ」のために切替を拒否されることがある

 プロパンガス会社は同じエリアの中で30年も40年も商売をしているので、保安業務や配送業務をお互いに委託しているとか、問屋なら販売店にプロパンガスを卸しているとか、社長同士がゴルフ仲間であるとか、さまざまな「しがらみ」があります。

 そのようなしがらみがあると、ガス会社の変更を受け入れてくれません。プロパンガス会社であればどこでも変更できるわけではないということを、しっかりと頭に入れておいてください。

理由2. そもそも切替をやらないガス会社が多い

 プロパンガス業界には、「他社の顧客を取らない」という悪慣習が根強く残っていて、保守的なガス会社はそれをかたくなに守っています。そういう会社に相談しても「当社はそういうことはできません」と言われてしまいます。

 どこがそういう会社なのかはWebサイトや会社案内には明記されていないので、切替を受け入れてくれる会社を探すことからスタートしなければなりませんが、事情は各都道府県によってまったく異なることもあり、ハードルは非常に高いです。

理由3. 変更後に不透明な値上げをされる例が頻発している

 せっかく各種のハードルを越えてガス会社を切り替えたとしても、その会社の料金がいつ不透明な値上げをされるか分かりません。

 誤解1でも説明したように、ガス会社の都合でいくらでも値上げすることができるので、当協会のように「ガス料金見守り保証」でもない限り、一旦は安くなったからといって安心していることはできません。プロパンガス会社が勝手な値上げをしないことを、どのように約束してくれるのかよく確認することが重要です。

ガス料金見守り保証

 プロパンガス会社の変更はツボを押さえれば簡単ですが、自己流でやるとトラブルまみれになる可能性が高いです。これらのアドバイスをよく理解された上で取り組まれることをおすすめします。(鈴木秀男)

著者プロフィール:

鈴木秀男

一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会 代表理事

1980年東芝パソコンシステム入社。勤務の傍ら1990年より、世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」ニューヨーク本部公認トレーナーとして、セールスパーソンのトレーニングに従事。20年間で約3000人を指導。

2011年、一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会 代表理事に就任。高いプロパンガス料金に困っている消費者にアドバイスをする一方、希望者に適正価格の優良ガス会社を紹介している。現在12名のスタッフと、年間約8000人の消費者からの料金相談に無料で対応している。


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