6月20午前の株式市場で、ブランジスタ(東証マザーズ)に売り注文が殺到。取引が成立せず、ストップ安(値幅制限の下限)の売り気配となっている。AKB総選挙に合わせて正式リリースされたが、その内容に失望した投資家から売りを浴びているようだ。
同社がリリースしたのはiPhone/Android向けアプリ「神の手」。バーチャルでクレーンゲームをプレイし、獲得した景品が自宅に届くというもので、秋元康さんがプロデューサーとして携わっており、第1弾の景品としてAKB48グループのグッズを用意していた。
ブランジスタは、「神の手」は“課金率100%”であり、有料課金モデルだけで年間1200億円の売り上げが見込める──などと説明していた。第1弾の景品の目玉となったのは“選抜総選挙当日のステージ上の夢と希望を閉じ込めた”と称される、いわゆる空気の缶詰の「場空缶(ばくうかん)」。
リリース日は第8回AKB48選抜総選挙の開催日と合わせ、48グループのアイドルたちが出演するYouTube動画を公開したり、当日に会場で「神の手」のシリアルコード記載のチラシを配ったり、観客の前で空気を缶に封入したり――とアピールした。
しかしリリース翌日のApp Storeセールスランキングでは100位内に入ることができず、Google Playのインストール数も1000〜5000と伸び悩んでいる。また、総選挙会場でシリアルコードを配布したことがAppleの規約違反に当たるのでは、と指摘する声も上がっている。
ゲームの出来や運営への失望感が高まり、ブランジスタには売りが集中。20日午前は80万株を超える売り越しとなり、前営業日終値の6260円から1000円安のストップ安気配で取引が成立していない。5月16日に付けた年初来高値の1万5850円からジェットコースターのような展開が続いている。
親会社のネクシィーズグループ(東証1部)も、ストップ安の前営業日比500円安(-23.08%)の1666円まで下げ、全市場の値下がり率ランキングで1位となった。
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