鳥越俊太郎さんが「出馬はペンより強し」になった理由スピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2016年07月21日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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ジャーナリスト候補者が訴える「正義」

 そんな「正義の人」が「女子大生淫行」などするわけがない、と信じたいが、この醜聞よりも驚いたのは鳥越さん側の対応だ。

 報道によれば、弁護団は、公職法違反罪(選挙妨害)や名誉毀損で『文春』を刑事告訴するという。『サンデー毎日』の編集長までやられたジャーナリストが、古巣ともいうべき週刊誌を相手に「言論」ではなく、「法」という力をもってして屈服させる道を選んだのだ。

 もともとジャーナリストでありながら、保険会社のCMに出演するなど「型破り」だったが、告訴が事実なら、鳥越さんは完全に「ペン」に見切りをつけたということなのか。

 己に弓ひく者を「悪」と決めつけて力ではねのけようとする76歳の「元ジャーナリスト」。彼の「正義」をしっかりと検証してくれる本当の意味でのジャーナリストがどこかにいないものかと心から思う。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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