小日向: うーん、やはりゲームやアニメの影響は強いと思います。コーエーテクモゲームスの「戦国無双」シリーズでもイケメンに描かれています。そこから興味を持って歴史ファンになった歴女もいると思います。あるアンケート調査によると、歴女が好きな武将ランキングで、真田幸村に次いで三成の名が挙がっていますね。
今年3月には滋賀県彦根市で「三成フェス」というイベントが開かれて、私もパネルディスカッションに登壇しました。今、長浜市、米原市、彦根市エリアでは「三成タクシー」が運行していて、それに乗ってイベント会場まで行ったのですが、三成ファンの歴女たちも三成タクシーに乗って史跡を巡る旅が人気なのですよ。
編集部F: へえ、三成タクシーってどんなものですか?
小日向: えっとですね……(スマホを取り出して)これです。「戦国無双4」に登場する三成のキャラクターをあしらった特別車両で、今3台あるみたいです。
編集部F: 三成と言えば、3杯のお茶のエピソードが有名ですよね。
小日向: 三献茶ですね。ある日、秀吉が鷹狩りの帰りに大原観音寺(米原市)に立ち寄った際、寺の小姓だった三成が1杯目に大きめの茶碗でぬるいお茶を、2杯目に少し小さめの茶碗でやや熱いお茶を、3杯目には小ぶりの茶碗で熱いお茶を出して、秀吉は三成の心遣いに感じ入り、家臣として召し抱えたという逸話です。
ほかにも三成を知るエピソードとして面白かったのは、太閤検地で使用するモノサシの両端に「治部少輔」(三成の官位)と書いていたことです。自分の名前をモノサシに書くのも、それを両端に書くのも細かいなと思いました。本当に神経質な性格だったのでしょう。
そういう意味で、3回に分けてお茶を出したという三献茶の話も三成の細かさを象徴していますよね。これは作り話と言われていますが、たとえそうであっても、三成のことをよく表しているからこそ、脈々と語られ続けているのだと思います。細かいけど、心遣いのできる人だったのではないでしょうか。
編集部F: ほかに三成のエピソードで好きなものはありますか?
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