小日向: 関ヶ原の戦いが終わった後、東軍が三成の居城である佐和山城に入ると、何もなくて驚いたそうです。てっきり金銀が蓄えられていると思ったら、実際には大変質素な生活をしていたのです。すべてを関ヶ原の戦いに投じていたことが分かるエピソードです。
こんな逸話もあります。大雨で淀川が増水して氾濫しそうになった際、決壊しそうな場所に大阪城に貯蔵していた米俵を数千俵持って行き、土嚢(どのう)の代わりに積み上げて決壊を防いだそうです。
急を要していたので、そのときは秀吉の許可を得ずに実行したのですが、淀川の氾濫によって田畑に与えるダメージと、土嚢代わりに米俵を使うことのどちらが結果的に得なのかを瞬時に計算して、使う米俵の量を導き出したといいます。その場の判断力や、算術のスキルの高さがカッコイイなあと思いました。
この話には続きがあって、氾濫を食い止めた後、民たちに「土嚢を持ってきたら使用した米俵と交換してあげる」というお触れを出しました。米がもらえるわけですから、民たちは我先にと土嚢を運んできて、あっという間に堤防が完成したそうです。
編集部F: 優秀!
小日向: 三成は真面目すぎる学級委員長で、福島正則や加藤清正はクラスのやんちゃな番長というイメージです。先生は秀吉。三成は秀吉のためにクドクド言うわけですが、それがうるさいと思う正則や清正など一部のクラスメートには嫌われてしまうのです。クラスが良くなるように正しいことを言っているのですけどね。そんな不器用なところも三成の魅力です。
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