この連載では、歴ドル&信州上田観光大使を務める小日向えりさんとともに、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する人物、あるいは名シーンなどを取り上げて、よりドラマを楽しめるような情報や小ネタをお伝えしていきます。連載バックナンバーはこちら。
小日向: 先週(7月31日放送)の『真田丸』はとても切なかったですね……。
編集部F: おもらしするなど、豊臣秀吉のどんどん老いていく姿が寂しいですね。あと、茶々が息子の豊臣秀頼にべったりで、もはや秀吉にほとんど興味を示してない様子も……。秀吉は伏見城で亡くなるわけですが、ドラマの舞台が伏見城に移ってから、最期に向かって一気にスピードを増していますね。
小日向: 伏見城といえば、4回も場所や作りを変えている珍しいお城なのですよ。
編集部F: 大河ドラマの中でも「慶長の大地震」(1596年)で崩壊してから建て直していますよね。
小日向: 元々は秀吉が隠居用の屋敷を構えたところから始まっています。かつて伏見の地には巨椋池(おぐらいけ)という大きな池があって、そのほとりに屋敷を作りました。ここは月の名所と知られ、大坂城とも水運でつながる便利な場所だったのです。
その隠居屋敷を拡充したのが指月(しげつ)城で、地震で壊れた後、場所を移して木幡(こはた)城を築きました。秀吉が死去すると徳川家康が入城したのですが、関ヶ原の戦いの際に西軍に攻められて焼失します。その後、家康が再建しましたが、徳川秀忠、家光のころに廃城となりました。
編集部F: 京都に今ある伏見桃山城は、遊園地内に作られた模擬天守ですが、伏見城が本来あったのは別の場所だったのですね。子どものころに一度行ったことがあり、そのときは本物の城だと信じていました。
小日向: さまざまな変遷があった伏見城ですが、特に指月城はずっと「幻の城」と呼ばれていました。ところが昨年、石垣や堀の跡、金箔を施した瓦などが発掘されて大きなニュースになりましたね。
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