「巨人有利」の判定はあるのか? CSでも勃発していた「ジャンパイア問題」赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2016年10月11日 12時30分 公開
[臼北信行ITmedia]
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ジャイアンツ有利のジャッジ、実際にあった

 ところが、身内であるはずの巨人OBの中からは「ジャンパイア」について、こういう異論も出ている。

 「最初から巨人有利にしようと思っている審判はいない。ただし以前、審判経験者の人から『巨人戦でかなり微妙なタイミングのプレーで判定しなければいけないとき、東京ドームを含めた本拠地試合だとスタンドのファンやホーム独特の異様なムードに飲み込まれ、結果的にジャイアンツ有利のジャッジにしてしまいがちになることも実際に何度かあった』という話を聞いたことがある。

 確かに東京ドームでの巨人戦はスタンドのジャイアンツファンの応援もさることながら、球団側のやっている場内DJなど応援演出も過剰なレベル。よく阪神タイガースの本拠地・甲子園球場も独特の雰囲気がある、と言われるが、東京ドームはそれ以上。プロボクシングの世界でもあるような『ホームタウンディシジョン』が東京ドームでの巨人戦では起こりうるということだ」

 いずれにしても「ジャンパイア」などという疑惑を向けられてしまうような今の日本プロ野球の審判団は世界に胸を張れる高水準にあるとは、とてもではないが言えない。雇用主のNPB(日本野球機構)は誤審の再発防止と審判のレベルアップに心血を注ぐべきである。今回の巨人ーDeNA戦のように、今後も熱戦に水を差されるようではたまったものではない。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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