長時間労働で精神的につらい人が知っておきたい社会保険活用法マネーの達人(2/5 ページ)

» 2016年10月28日 05時30分 公開
[木村公司マネーの達人]
マネーの達人

うつ病の背景にあるのは慢性的な睡眠不足

 長時間労働に起因してうつ病が発症するのは、長時間労働を続けているとその分だけ帰宅時間が遅くなり、慢性的な睡眠不足になるというのが理由の1つになるようです。

 例えば、月に20日出勤する人が月に100時間の残業をする場合、「100時間÷20日=5時間」になります。1日の勤務時間が8時間と仮定すると、これと併せて1日に13時間働く計算になります。勤務時間が午前9時から午後6時の場合は午後11時に退社することになり、それから家に帰るまでの時間などを考えると、必然的に睡眠時間は短くなってしまいます。

 実際、彼女は「眠りたい以外の感情を失った」とツイートしており、かなりの睡眠不足であったことが推測できます。長時間労働でうつ病を発症したら、まずはゆっくり休養をとること。できれば休職することが大切なことだと私は思います。

業務上は労災保険、業務外は健康保険を活用する

 正社員、パートやアルバイトなどの非正規社員は原則的に「労働者災害補償保険」(以下、労災保険)に加入します。これに加えて、正社員であれば原則的に協会けんぽや組合健保といった「健康保険」に加入します。

 2種類の公的な医療保険に加入するのは、ぞれぞれの役割が違うからです。

労災保険

 業務上の病気やケガ(労働災害)、または通勤途上の病気やケガ(通勤災害)などに対して保険給付を支給します。

健康保険

 業務外の病気やケガなどに対して、保険給付を支給します。

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