まず、ファミレスから客足が遠ざかっている最大の原因として考えられるのが、「ファストカジュアル」の台頭だ。
以前、本コラムでも取り上げたが、「ファストカジュアル」とはファストフードとファミレスの間のような位置付けで、トレンドに敏感な若い客層に支持をされている(関連記事)。
ファストカジュアルは、ファストフードのフォーマットで料理を提供するため、レストランのように料理が運ばれるまでほとんど待たされることはない。そして、店内はファストフード店より清潔で高級感があって、ゆっくりと食事ができる居心地のいい空間になっている。
ファストカジュアルの商品単価は、ファストフードよりも高めだが、レストランと比べるとリーズナブルだ。だが、レストランのように、チップを置く必要がないため、割安感がある。チップ文化が浸透している米国では、レストランでのテーブルサービスに対して払うチップは、意外にばかにならない額になる。
また、ファストカジュアルは、食材にこだわったメニューをウリにしているため、ヘルシー志向でグルメな若者に絶大な人気を誇っている。
そこまで高くない値段で、おいしい食事が手軽に食べられるファストカジュアルは、これまでは、ファストフード業界のビジネスを脅かす存在だった。しかし今度は、ファミレス業界にも影響を及ぼし始めている。
ファストカジュアルの売り上げは、1999年から2014年までの15年間で550%増という驚異的な成長を遂げている。しかも、この傾向はまだ続くとみられており、ファミレス業界にとっては今後さらに恐ろしい存在になっていくことになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング